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short.2

「カカシ先生の馬鹿!だいっきらい!!」

サクラの怒声が響き渡る。

「だからあれはそう言うんじゃないって」

カカシが誤解を解こうとするも前を歩くサクラは振り返らない。

「サクラちゃんってば」
「うっさい!付いてこないで!!」

サクラはカカシを思い切り睨んで全力で駆け走って行った。

「・・・たく」

カカシは呆れたように頭を掻きながら、その頬は緩んでいた。
恋人であるサクラはまだ12歳で、小生意気で我儘で。
少し女と話しただけであんなふうにヤキモチをやいて機嫌を悪くする。
面倒くさく、愛おしい。
口布で隠れるのを良いことにカカシはニヤけながら歩く。
今すぐサクラを探しに行っても良いが、熱りが冷めない内は何を言っても聞き入れないだろう。
どこかで甘いものでも買って行ってやりますかねー、と歩いている時。
木ノ葉ベストを着た長身の黒髪の男が目に入る。
どれ、ちょっかいでもかけるかと人混みを避けながら近づいて。

「オビ──」

声をかけた瞬間、目の前の光景にカカシは瞠目する。
なぜなら、同期であり親友のうちはオビトの背中に恋人であるサクラが抱きついていたからだ。
こちらを振り向いたオビトは何事もないように話しかけてくる。

「よぉ」
「・・・・・・どういうこと」

シカマル並みの回転力を持つ頭脳は目の前の光景に全く働かず、率直な質問をする。

「どうもこうも、オレが聞きたいっての。歩いてたら急にサクラが背中に飛びついてきたんだよ」

オビトが背中のサクラに目を向けると、当のサクラはピクリとも動かずオビトに腕と足を回してしがついている。

「カカシ、サクラに顔近づけてみろよ。念仏聞けるから」
「念仏?」

オビトに言われてサクラに顔を近づけると、ブツブツ何やら聞こえてくる。

「・・・馬鹿、変態、ロリコン教師、おっぱい星人・・・」
「・・・・・・」

念仏というより怨念ではないか?

「サクラ、離れなさい」

腕を掴んで離そうとすると、サクラはオビトの背中に顔を埋めて離れようとしない。

「・・・サクラ」
「・・・・・・」

少し低く呼ぶが、サクラの細い腕は逆に更に抱きつく。
さすがにこれは良い気はしない。
カカシはため息を吐いて、サクラの脇に手を置いてくすぐり始める。

「あはははっ!──っ!」

サクラはくすぐりに大きな声で笑い出すも、オビトの背中で口を押さえて、くすぐりに耐えるために腕と脚に力を込める。

「いててて。サクラ、締まってる締まってる」

ミシミシと音が聞こえてきそうなほどの力で締め上げ、オビトから悲痛の声が上がる。
すぐにサクラは力は抜いたが、それでも離れようとはしない。


──仕方ないか。


カカシは脇にあった両手でサクラの身体を滑らせ。
行き着いたのは、2つの慎ましやかな膨らみ。

「──あっ!」

サクラは胸に触れる手にビックリして思わず声が出る。
カカシは気にすることもなくそのまま胸を揉み始める。
その触り方が2人きりの、情事を思い出させるイヤらしい触り方で。

「・・・んぅ、あ、はぁ・・・」

サクラは歯を食いしばるもどうしても息が漏れる。
ここは外で人だっているし、何より目の前にはオビトがいる。
分かっていても毎日のように触れ合う大好きな手が自分の胸を弄んでいると思うだけで感じてしまうのだ。
いきなり背中から色っぽい声が聞こえ始めてオビトはギョッと目を見開く。

「・・・おい、人の背中でナニ始めてんだ」

離れたくてもサクラがギュッとオビトのベストを掴んでいるので逃げられない。
子供と思っている少女から大人の、艶のある声を聞かされてとてつもなく居心地が悪い。

「あンっ!」

カカシが服の上から探り当てた胸の先を摘むと、サクラはビクッと背中を仰け反らせ大きな声が出る。
その拍子に腕と脚の力が緩んで離れ、カカシがぐったりしたサクラを担ぐ。

「邪魔したな。あと今のは忘れろ」

オビトを睨むカカシの目は殺気が込められていて、カカシはサクラを担いだまま屋根へと飛んだ。
さっきまでの騒ぎで周囲の人々が興味深々にオビトを見ており、オビトは重苦しく息を吐き、

「・・・バカップルが」

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