このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

short.2

──逃げなきゃ、逃げなきゃ・・・
なにから?そんなの決まってる。

「サ〜クラ〜」
「ひぃぃぃ!!」

後ろから聞こえた猫撫で声に背筋が粟だった。


ことの発端はこうだ。
いつものごとく2時間遅れてやってきたカカシは3人を引き連れて演習場に着く。

「持久力を上げるために鬼ごっこをしよう、オレが鬼やるから」
「ならさ、ならさ!オレたちが勝ったら一楽のラーメン先生の奢りな!」
「あー、まぁいいでしょ」
「やったー!じゃあカカシ先生が勝ったらどうする?」
「勝ったら?そうだなー」

うーん、と唸りながら空を見たカカシは、にこりと笑って顔を戻す。

「なら、サクラをオレの好きにしようかな」
「「「は?」」」

なんで私、と言おうとしたら、カカシの「散」の合図で笑えるほどに躾られた3人は条件反射に林の中に逃げた。
ナルトとサスケはサクラの貞操を守るため一致団結してカカシに頑張って挑みかかったものの、たった10分で捕まってしまった。
それから30分、サクラとカカシの2人だけの鬼ごっこが始まったのだ。
広い演習場の木々を何周もグルグルと飛んで走り回っている。

「ほーら、早く逃げないと捕まるぞー」

そう言いながら、カカシはポケットに手を突っ込んだまま、捕まえようと思えばすぐに捕まえられるのに悠々とサクラを追いかけるだけ。
サクラだけが必死に魔の手から逃げようと全力で追いかけているのだ。

「たす、たすけて、サスケくん!ナルトぉぉぉ!!」

第三演習場にサクラの悲痛な叫びが響いて木霊する。
サクラが助けを求めた男2人はというと、カカシによって邪魔が入らないように丸太に括り付けられていて身動きができずにいる。
グルグルと回り続ける2人をサスケはなす術もなく見守り、
ナルトはというと、あまりの暇さに器用に丸太にくくりつけられたまま夢の世界に入っていたのだった。


6/159ページ