このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

short.2

◯だーれだ?

(ふふ・・・)

演習の休憩中、地面に座りあのイヤらしい本を読んでいるカカシの後ろからこっそりと忍び寄る。
いつも飄々として、驚かしても「驚いた」と口にしながら絶対驚いてなくて。
それが負けず嫌いの心に火がついた。
サクラは一緒に驚かすナルトに目線を向けると、ナルトは力強く頷く。
今回の作戦はサクラがカカシに抱きついてナルトが声をかける。
こういうことをするのは基本的にナルトなので、サクラだと知ったら絶対驚くはず。
シメシメとほくそ笑み、サクラはまだ気づいていないカカシの背中に飛びついて目を隠した。

「だーれだ!」

「おっ」と驚いた声を上げたカカシはナルトの揶揄う声に考えるように唸り、

「うーん。背中に当たるのがないからナルトかな──」

言い終わると同時にカカシは地面に倒れた。
なぜならサクラに思い切り頭を殴られたからだ。
肩で息をして拳を握るサクラは顰めっ面で地団駄を踏みながら去っていった。
ナルトはサスケの方に向かうサクラの背中を見て、地面に倒れる恩師の惨めな姿を見る。

「・・・カカシせんせぇ」

あれだけは言ってはならないとナルトでも分かる。
ナルトは哀れみの目で俯すカカシを突いた。






◯仕返しの見返り

カカシ先生と恋仲になってすぐ、と言うかその日にうちに身体を重ねた。
それから半年が経ち、その行為は両手では数え切れないほどにしている。
それでも未だに慣れない私と、余裕綽々の先生。
エッチの時もこっちは何も考えれないほどに翻弄されているのに、先生はいつも余裕そうに乱れる私を見てくる。
そりゃ14も離れているし口布で顔の半分を隠していても分かる端正な顔立ちだから私以外にもそういう行為をしてきて慣れているのだろうけど。
どうにかしてその余裕の顔を剥がせないものか。
そう親友のいのに相談すると「お腹に力を入れたらいい。それで十分よ」と言われた。
よく分からなかったが、自分と違って経験豊富ないのの言葉を信じることにした。

そしてそれは決行される。
いつもの如く、夕飯を一緒に食べてお風呂も一緒に入ってベッドに押し倒されて。
服を全部脱がされて大好きな指で何回もイかされ繋がって。
与えられる快楽に涙が滲み、頑張って目を開けるといつもように余裕の笑みで揺さぶってくる先生。
くそぅ、と滲む視界の中でいのの言葉を思い出して何とかお腹の下に力を入れる。

「・・・っ!はぁ・・・」

ビクッと先生の腰が跳ねて、余裕の顔は眉間に皺が寄り苦しそうに息を吐いた。
ようやくその顔を見れたと思いながら、色っぽく吐かれた吐息にお腹が無意識にまた締まり、蜜が溢れたのが分かった。
先生は苦しそうに息を整えながら私を見下ろし、怖い笑みを浮かべる。

「・・・さっきの、わざとだろ?」
「え、あ、そ、その・・・」

まさかそんなこと聞かれると思っておらず、自慢の思考は上手く働かなくて答えられずにいると、先生がニコリと微笑む。
与えられるものは止まったのに目の前の光景に心臓がバクバクと跳ねて背中で先ほどまでとは違う意味の汗が流れた。

「サクラが、その気なら・・・!」
「や、あん!!」

腰がギリギリまで引かれ、思い切り奥まで穿たれた。
その後、火が付いた先生によって明け方まで何回も抱かれ起き上がることができなかった。
これからは親友の言葉を信じるのはやめよう。
そう、幸せそうに眠る恋人の腕の中で唸ったのだった。






◯熱い耳

「サクラ」

アカデミーでイルカ先生の手伝いをしていると後ろから声をかけられた。
1ヶ月聞いていなかった声に反射的に振り返ると、愛おしい恋人が手を上げて近づいてくる。
自分からも駆け寄り、目の前で止まる。

「お帰りなさい、カカシ先生」
「ただーいま、サクラ」

久しぶりの先生の顔に自然と頬が緩む。
頭を優しく撫でられながら先生の身なりを確認するのは医療忍者としての癖かもしれない。
服装はボロボロだが怪我をしている感じはない。
良かった、とほっとしていると、頭にあった手が肩に置かれて耳に先生の顔が近づいた。

「──今夜、空けといて」

先ほどとは違う低さの声にビクリと肩が跳ねる。
先生はそれだけ言って、また手を上げて背を向けて去っていった。
1人残され、先の言葉の意味を理解して・・・
耳に手を当てると燃えているのではないかと思うぐらい熱かった。
真っ赤に染まった私の顔を見てイルカ先生が心配そうに覗いてくるので私は必死になんでもないフリをした。






◯桜よりサクラ

「わー!きれー!!」

里の近くにある集落を通りがかった時、桜の木がたくさん植えられた場所を見つけた。
そして休みの日、部下であり幼い恋人であるサクラを連れてそこに行くと、目の前の絶景にサクラは嬉しそうに桜の中に入っていく。
それを離れた場所で見つめ、目を細める。
どの桜も満開に咲き誇り美しい。
だがやはり、あの子が一番綺麗だ。

「カカシ先生ー!」

見惚れていると、ピンク色の世界の中でピンクの少女がこちらに向かって大きく手を振って呼んでくる。
カカシは小さく笑って恋人の方へとゆっくり向かった。






◯新七班は今日も大変

任務先に向かう途中で休憩を取り、そろそろ行こうかとヤマトが立ち上がる。
まだサクラとカカシが戻ってきていないことに気づきナルトが探しに行ってくると走っていって10分が経った。
さすがに遅いと今度はサイが3人を探しにいくことにした。
林の中を歩いていると、木の影に隠れて向こう側を覗いているナルトを見つけた。
ゆっくりと近づいてそのオレンジの背中に話しかける。

「ナルト、どうしたんですか?」
「しっ!」

振り向いたナルトは口に人差し指を当てて静かにしろと厳しい顔をする。
そしてちょいちょいと先ほどまでナルトが見ていた方向を指差すので、ナルトの後ろから覗きこむと、そこには自分とナルトが探していたサクラとカカシがいた。
サクラは草の上に座り、その膝を枕にカカシは眠っていた。
ここまで2人が近づいても気づかなかいほどに深く眠っているのか気持ちよさそうに眠るカカシの髪をサクラは幸せそうな顔で撫でている。
その姿はまさに恋人同士のようで。

「これで隠し通せてると思ってるからビックリだよね」

突然聞こえてきた声にナルトとサイが驚いて振り向くと、そこには同じ方向を見るヤマトが立っていた。
どうやら結局ヤマトも全員を探しに来たらしい。
2人はまた顔をサクラ達に戻す。
幸せそうな顔をしている2人だが、恋人ではない。
お互いに好意を向けているにも関わらず、未だ上司と部下という関係なのだ。
早く告白をしろと周りが思っているのに、立場やら色々考えて関係が進まずこの状態。
なのにこうやってイチャイチャしているときた。
時には2人の世界に入って見つめ合っている時は居心地が悪い。

「オレ、この前キバから良い言葉教えてもらったんだ」
「なんだい?」

ナルトの言葉にヤマトが反応すると、ナルトは悪い顔で笑う。

「リア充爆発しろってばよ!」


8/159ページ