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short.2

「あんたとカカシ先生っていつも通りよね」

仕事終わり、いつものようにいのと甘味処に行ったときのことだった。
向かいに座るいのはあんみつを頬張りながら唐突に言ってきた。

「いつも通りって?」
「付き合う前と変わらないってこと」

「そう?」と首を傾げると「そう」といのは頷いて、言いたいことは終わったのか話題は別の話になった。



****



「っていのに言われたの」

カカシの部屋を訪れ、一緒にご飯を食べて食後のお茶を飲んでいる時に昼間にあったことを向いで座るカカシに話しかける。

「あー、オレも紅に前に言われたらことあるな」
「やっぱり変わらないとダメなのかしら」
「んー。いいんじゃないか?無理にしなくても」
「うん・・・」

返事をしながらもまだ納得できていないサクラ。
ふむ、とカカシは自分の太ももを叩く。
カカシの意図を理解したサクラは椅子から立ち上がってカカシの足に座る。

「サクラはオレと四六時中仲間の目も気にせずイチャイチャしたい?ずっとオレに愛を囁かれたい?」
「・・・いや、ちょっと、ううん。かなり嫌かも」

顎に手を添えて真剣に考えるサクラの答えにカカシは苦笑する。

「ハッキリ言うねお前・・・オレも束縛されるの好きじゃないからね。お互い今のままでいいならちょうどいいんじゃないか?」
「・・・うん」
「オレはさ、ふとサクラは今何してるんだろうって考える時間とか、サクラを遠くに見かけた時とか、あと、こうやってただ側に居てくれる時が一番幸せなんだよね」
「・・・うん、私も」

ようやくサクラの顔が晴れて2人は寄り添う。
額を合わせて目を瞑れば心地よくて1つになったような錯覚に陥る。
本当に1つになれたらいいんだが。

「幸せなんて十人十色。これがオレ達の幸せなんじゃないか?」
「うん・・・!」

2人は顔を離して見つめ合い、誓うようにキスをする。
ずっと続く幸せを願うように。
暫く唇を合わせるだけのキスをして顔を離し、サクラの幸せそうな笑顔を見てカカシは思い切り抱きしめてあげる。

「いやさー、今までの彼女は束縛強くてヤキモチ焼きだったから面倒だったんだよねぇ。何してたの、あの人は誰、本当に好きなのかって泣かれるのが本当うざくて」
「・・・へぇ」

過去の女性遍歴を思わずポロッと口にしてしまい、胸の中で聞こえた低い声にギクっとした。
恐る恐る下に顔を向ければ、口角は上げているものの、先ほどの幸せそうな笑みではなく瞳は笑っていない。
カカシが言い訳をする前にカカシの胸を押して膝から降り、背を向けるサクラにカカシの背中に嫌な汗が流れる。

「前の彼女が。へぇ」
「さ、サクラ?ほら、お前よりいくつ年上だと思ってんの?恋人1人も居なかったら引くでしょ」
「そうよねぇ。それで私は何人目の恋人なのかしら」
「・・・サクラぁ」
「ごめんなさいねぇ、ヤキモチ焼いて面倒で。別れてもらって結構です」

どんどん変な方向に進んでいくので、後ろから抱きしめて顔を覗き込むと、唇を尖らせながらサクラの瞳は薄い膜が張っていた。
自分のせいで泣きそうになっているのに、そんな顔すらも可愛くて愛おしい。

「別れるわけないでしょ、こんな可愛いヤキモチ焼かれて」
「・・・元カノと同じじゃない」
「んー。ま、そうなんだけどね。愛してたらヤキモチってこんなに嬉しいものなんだね」

カカシは本当に幸せそうに笑ってサクラを抱え、寝室に向かう。
サクラを大事にベッドに下ろして額にキスをする。
これから起こることに期待して、瞳がまた潤んでいるが先ほどとは違う潤み。

「だからこれからもどんどんヤキモチ焼いてね」
「・・・馬鹿」

悪態をつきながらもカカシの首に腕を回すサクラにカカシは口角を上げ、唇を合わせた。


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