short.2
◯舐めとけばか治る
「いたっ!」
老夫婦の民家の草むしりの任務中、サクラの痛がる声が聞こえてイチャパラから顔を上げる。
「どうした?」
「草で切っちゃったみたい・・・」
「あらら、血が出てるね」
小さい手の細い指から赤い血が滲んでいて、思ったより痛いのか目を潤ますサクラの手を取り、口布を下げる。
いきなり素顔を見せて目を丸くするサクラのことは気にせずにサクラの指を口に含んだ。
指が咥えられて、サクラの顔が一気に赤くなった。
「な、な、な・・・!」
「舐めときゃ治る」
「何するのよー!!」
バチーン、と頬を思い切り叩かれた。
絶対手跡がついてるぞ、これ。
「いったぁ・・・これ治らないかも。舐めてよサクラ」
「バカじゃないの!この変態教師!!」
態とらしく痛がると今度は回し蹴り。
素早い成長に嬉しいやらなんやら。
◯黒猫、カラス、靴紐
単身の任務の帰り。
目の前に黒猫が通った。
可愛いなと通り過ぎると頭上で大量のカラスが。
そしてポーチの紐が切れた。
よく言うではないか。不吉の3拍子。
嫌な予感がする。
「サクラ!何かなかったか!」
任務が終わった足でサクラの部屋の窓を開け放つ。
今は夜中の1時。
気持ちよく眠っていたサクラは突然の来訪者に眉間に皺を寄せて不機嫌を隠そうとせずポツリと呟く。
「・・・今のこの状況がそうよ」
◯好きな顔
「カカシ先生の馬鹿!!」
「・・・ぐっ」
いつものように揶揄うと、サクラは思い切りオレの鳩尾に拳を打ち込み、プリプリと怒っているのを隠そうとせず去っていった。
小さくなっていく背中を見ながら鳩尾を摩っていると、近くにいたナルトが話しかけてくる。
「なんで先生はいつもサクラちゃん怒らせるんだ?」
「んー?だってサクラは怒った顔が一番かわいいだろ?」
にこっと笑うとナルトは分かるような分からないような顔をして首を傾げた。
そりゃ好きな女にはいつも笑っていてほしいものだろうが。
オレは、オレにだけ向けてくれるあの顔が好きなんだ。
◯嫉妬深い男
一緒にお風呂に入って事を終えて寝るまでベッドの中でお喋りをしていたときだった。
いつも私が今日あったことを話して先生が相槌を打つのが日常だった。
「でね、病院の在庫を持って階段登ってたら踏み外しちゃって。そしたらちょうどサスケくんが通りかかって助けてくれたの。しかも荷物も持ってくれてね。すっかりさりげなく助けてくれるようになって感慨深くなっちゃって・・・、ってあれ?」
里に帰ってきていたサスケくんとの出来事を話していると、隣で横になっていたはずのカカシ先生が気づいたら覆い被さっていた。
「ベッドの上で恋人が他の男のこと褒めてるってすごい腹が立つよね~」
「あ・・・」
にこやかに微笑んでいるのにその瞳には嫉妬が滲んでいて、やってしまったと気づいてもそれは後の祭りだ。
◯どちらも大事にいただきます
4月。
毎年満開に咲き誇る桜の木々を見にサクラと訪れた。
名の通り、桜が好きだというサクラは綺麗に咲いた桜に満面の笑みだ。
カカシはというと桜ではなくサクラに見惚れている。
ふと、サクラの髪に埋もれているものに気づく。
「サクラ、おいで」
「なになにー?」
呼ばれて嬉しそうに駆け寄ってくる姿がワンコロみたいで可愛くて、思わず吹いてしまうとサクラは不思議そうに首を傾げた。
カカシは何でもないと言って、サクラの髪に付いていた桜の花びらを取ってあげる。
「サクラに付いた桜。記念に取っとこうかな」
「・・・こんなに可愛いサクラちゃんはいらないの?」
桜が飛んで行かないように大事に握ると、サクラはなぜか不満そうな顔でこちらを見上げでいた。
カカシは目をぱちくりとさせ、とろけそうなほどに顔を緩ませてサクラに顔を近づける。
「──もちろんいただきますよ?」
「いたっ!」
老夫婦の民家の草むしりの任務中、サクラの痛がる声が聞こえてイチャパラから顔を上げる。
「どうした?」
「草で切っちゃったみたい・・・」
「あらら、血が出てるね」
小さい手の細い指から赤い血が滲んでいて、思ったより痛いのか目を潤ますサクラの手を取り、口布を下げる。
いきなり素顔を見せて目を丸くするサクラのことは気にせずにサクラの指を口に含んだ。
指が咥えられて、サクラの顔が一気に赤くなった。
「な、な、な・・・!」
「舐めときゃ治る」
「何するのよー!!」
バチーン、と頬を思い切り叩かれた。
絶対手跡がついてるぞ、これ。
「いったぁ・・・これ治らないかも。舐めてよサクラ」
「バカじゃないの!この変態教師!!」
態とらしく痛がると今度は回し蹴り。
素早い成長に嬉しいやらなんやら。
◯黒猫、カラス、靴紐
単身の任務の帰り。
目の前に黒猫が通った。
可愛いなと通り過ぎると頭上で大量のカラスが。
そしてポーチの紐が切れた。
よく言うではないか。不吉の3拍子。
嫌な予感がする。
「サクラ!何かなかったか!」
任務が終わった足でサクラの部屋の窓を開け放つ。
今は夜中の1時。
気持ちよく眠っていたサクラは突然の来訪者に眉間に皺を寄せて不機嫌を隠そうとせずポツリと呟く。
「・・・今のこの状況がそうよ」
◯好きな顔
「カカシ先生の馬鹿!!」
「・・・ぐっ」
いつものように揶揄うと、サクラは思い切りオレの鳩尾に拳を打ち込み、プリプリと怒っているのを隠そうとせず去っていった。
小さくなっていく背中を見ながら鳩尾を摩っていると、近くにいたナルトが話しかけてくる。
「なんで先生はいつもサクラちゃん怒らせるんだ?」
「んー?だってサクラは怒った顔が一番かわいいだろ?」
にこっと笑うとナルトは分かるような分からないような顔をして首を傾げた。
そりゃ好きな女にはいつも笑っていてほしいものだろうが。
オレは、オレにだけ向けてくれるあの顔が好きなんだ。
◯嫉妬深い男
一緒にお風呂に入って事を終えて寝るまでベッドの中でお喋りをしていたときだった。
いつも私が今日あったことを話して先生が相槌を打つのが日常だった。
「でね、病院の在庫を持って階段登ってたら踏み外しちゃって。そしたらちょうどサスケくんが通りかかって助けてくれたの。しかも荷物も持ってくれてね。すっかりさりげなく助けてくれるようになって感慨深くなっちゃって・・・、ってあれ?」
里に帰ってきていたサスケくんとの出来事を話していると、隣で横になっていたはずのカカシ先生が気づいたら覆い被さっていた。
「ベッドの上で恋人が他の男のこと褒めてるってすごい腹が立つよね~」
「あ・・・」
にこやかに微笑んでいるのにその瞳には嫉妬が滲んでいて、やってしまったと気づいてもそれは後の祭りだ。
◯どちらも大事にいただきます
4月。
毎年満開に咲き誇る桜の木々を見にサクラと訪れた。
名の通り、桜が好きだというサクラは綺麗に咲いた桜に満面の笑みだ。
カカシはというと桜ではなくサクラに見惚れている。
ふと、サクラの髪に埋もれているものに気づく。
「サクラ、おいで」
「なになにー?」
呼ばれて嬉しそうに駆け寄ってくる姿がワンコロみたいで可愛くて、思わず吹いてしまうとサクラは不思議そうに首を傾げた。
カカシは何でもないと言って、サクラの髪に付いていた桜の花びらを取ってあげる。
「サクラに付いた桜。記念に取っとこうかな」
「・・・こんなに可愛いサクラちゃんはいらないの?」
桜が飛んで行かないように大事に握ると、サクラはなぜか不満そうな顔でこちらを見上げでいた。
カカシは目をぱちくりとさせ、とろけそうなほどに顔を緩ませてサクラに顔を近づける。
「──もちろんいただきますよ?」
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