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short.2

◯幸せの熱さ

「うぅ・・・あつい・・・」

季節は冬。
寒いならまだしも暑さで目が覚めるとは。
ゆっくりと目を開けると、お腹に太い腕が回っているのが見えた。
後ろを見ると、ピッタリくっついて眠っているカカシ。
起きようと抜け出そうとするも、ガッチリ抱きしめられて身動きが取れそうにない。
起こしてしまおうか、と思ったけど、気持ちよさそうに眠る恋人の顔を見たらどうでも良くなって幸せな時間を堪能した。






◯発熱甘え

サクラが風邪をひいた。
いのちゃんから教えられてサクラの部屋に行くと、顔を真っ赤にしてベッドで横になっていた。

「・・・サクラ、大丈夫か」
「かか、し・・・せんせ・・・」

頬を撫でると火傷しそうなほど熱い。
虚な目でまだオレを見たサクラはオレの手を取って縋ってくる。
普段はツンツンとしているサクラが熱に浮かされて甘えてくるのが嬉しい反面、辛そうにしているのを見るのは胸が締めつけられる。
甘えてこなくてもいいから早くいつものサクラになってくれ。






◯その触り方の意味は

「サクラはいい子だね」

カカシ先生はそう言って私の頭を撫でる。
大きな手にすっぽり覆われ、優しく頭を撫でてくれる手が好きだ。
──だけど。
最近その手に違和感を覚え始めた。
頭が撫でるその手がゆっくりと降りて頬を撫でる。
その撫で方が、何かイヤらしく感じる。
それに最近のカカシ先生の目が前とは違うものがあって。
落ち着かなくて1歩下がる。
すると、「サクラ、髪にゴミが付いてる」と言ってまた先生は近づいてくる。
さっきよりも近い距離に落ち着かない。

「・・・まだ?」
「もうちょっと」

モジモジしながらチラッと上を見るとどこか楽しそうだった。






◯許可をいただきましたので

カカシ先生はいつも突然キスをしてくる。
ご飯を作ってる時だったりテレビを見てる時だったり。
毎回文句を言うと「サクラとキスするのが好きだから」と言われてしまったら怒っている自分がバカバカしく思えてしまう。
それでもこっちは恋愛初心者だ。
心の準備が必要なのだ。
そうお願いすると先生は渋々納得してくれた。
それから数日経ったある日。
いつものように先生の部屋でご飯を作っていると、後ろから先生が覆い被さってくる。
またキスをしてくるな、と思ったら顎に手をかけられて後ろを振り向かされ、先生の顔が近づいてくる。
もう反射で目を瞑り、キスをされるのを待つも一向にそれは訪れず。
薄ら目を開けると至近距離で止まる先生の顔。
 
「キス、していい?」

ふっ、と甘い声で囁き目を細める先生。
揶揄われたと顔に一気に熱が集まる。
殴って怒りたい気持ちと、このまま身を委ねたい。
そんな気持ちが天秤を揺らし、片方に完全に傾いた時。
私はゆっくりと目を瞑った。






◯腹ちら

「ん・・・せんせぇ・・・?」

朝、目が覚めると隣にはカカシが居なかった。
唐突な虚無感に襲われたサクラは、床に落ちていた服を急いで着てリビングに行く。

「ふぁ・・・あ、おはよサクラ」

そこには恋人であるカカシがこちらに背を向けてテレビを見ていてほっとしたのも束の間。
カカシはあくびをしながらこっちに振り向いたのだが、その格好だ。
ボリボリとお腹を掻いているから、その綺麗に割れたお腹をもろに出している。
普段は見れないお腹に、寂しさが一気に羞恥へと変貌する。

「ちょっと!ちゃんとお腹隠してよ!」
「へ・・・?何急に。あ、生理?」
「!?この馬鹿!!」

失礼極まりない発言に、サクラは近くにあったティッシュの箱をカカシの顔面目掛けて投げつけた。


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