short.2
◯三色の鳥
「黄色、青、ピンクの鳥の1匹しか助けられません。どの子を助けますか?」
「なにそれ」
「いいから!」
休憩時間、突然の質問に聞き返すもサクラは答えろと圧をかけてくる。
腕を組んで唸り、頭に浮かんだ色を答える。
「うーん、ピンクかなぁ」
「!」
答えてサクラを見ると満面の笑みで嬉しそうにしていた。
これは何なのか、と聞いても「秘密」と言うだけで教えてもらえなくて。
まぁいいか、とサクラと別れて待機所にアスマがいたからさっきあったことを話すと、アスマもいのちゃんに同じことを聞かれたらしい。
紫以外を答えたら殴られたらしく、理由を聞いたら、どうもその色は教え子の色でどの子が1番なのかという下忍達の中で流行ってる心理テストらしい。
次の日、任務に向かう前にサクラを捕まえる。
「サクラ」
「なに?」
「黄色、青、灰色の鳥。どれを助けますか」
サクラは最初ぽかんとした顔をしたが、オレがこの質問の意図を理解していることに気づいたのかサクラは頬を染めて踵を返して歩き出す。
「ちょっとサクラちゃん。答えは?」
「知らない!」
サクラは先を行くナルト達の元へ走って行った。
1人残されたオレは口布の下で口角を上げる。
サクラのことだから青と答えると思ったのに。
もしかしたらサクラの中で灰色の鳥が主人の元に止まったのかもしれない。
◯寒い日の朝
「あーーさむいーー」
「ちょっと先生ジャマ!」
朝、目が覚めて朝食の準備をしようとしたのに後ろから羽交い締めにされて身動きが出来なくなってしまった。
「子供の体温は暖かいねぇ」
「離してったらー!!」
「えー?まだ寒いんだけど」
「そんなの知らないわよ!」
「うーん。じゃあ手っ取り早くさぁ・・・」
カカシの手が腰から胸に上がって小さく悲鳴が出る。
「──えっちして暖まろ?」
◯成長の重さ
「あっ!」
目の前でサクラが躓いて転びそうになるのをお腹に腕を回して助ける。
その重みがサクラの成長を感じて、この幸せな時間が終わるような気がして寂しくなってしまった。
それを感じ取ったのかサクラは心配そうな目でこちらを見てくる。
「ありがとう先生・・・どうかした?」
「ん?んー、重くなったなーって思う──」
「しゃーんなろー!!」
◯あなたなき世界で
雨に打たれながら、カカシは英雄碑の前で佇む。
たくさんもの英雄達の中に親友の名。
そして新しい名前に書かれているのは"春野サクラ"。
任務で殉職した教え子。
カカシは空を見上げると冷たい雨が容赦なく打ちつけてくる。
「・・・もう居ないんだな、サクラ」
そう問いかけてもあの声と笑顔はもう返ってこない。
もう1度会いたい。
こんなことになるなら気持ちを伝えておけば良かったと後悔する日々。
──お前が居ない世界で生きていく。
◯なれそめ
結婚の挨拶にカカシの実家に来たのだが、話に花が咲いてサクモにカカシの小さい頃のアルバムを見せてもらうことになった。
隣で恥ずかしそうにするカカシを無視して写真を見ていると、カカシの母親の写真が目に入る。
それに気づいたサクモが照れたように馴れ初めを話してくれた。
「母さんがグイグイくる人でね。気づいたら好きになってて結婚してたよ」
あはは、と笑うサクモ。
血ってすごいわとカカシを見ると、カカシは不思議そうにこちらを見てきた。
「黄色、青、ピンクの鳥の1匹しか助けられません。どの子を助けますか?」
「なにそれ」
「いいから!」
休憩時間、突然の質問に聞き返すもサクラは答えろと圧をかけてくる。
腕を組んで唸り、頭に浮かんだ色を答える。
「うーん、ピンクかなぁ」
「!」
答えてサクラを見ると満面の笑みで嬉しそうにしていた。
これは何なのか、と聞いても「秘密」と言うだけで教えてもらえなくて。
まぁいいか、とサクラと別れて待機所にアスマがいたからさっきあったことを話すと、アスマもいのちゃんに同じことを聞かれたらしい。
紫以外を答えたら殴られたらしく、理由を聞いたら、どうもその色は教え子の色でどの子が1番なのかという下忍達の中で流行ってる心理テストらしい。
次の日、任務に向かう前にサクラを捕まえる。
「サクラ」
「なに?」
「黄色、青、灰色の鳥。どれを助けますか」
サクラは最初ぽかんとした顔をしたが、オレがこの質問の意図を理解していることに気づいたのかサクラは頬を染めて踵を返して歩き出す。
「ちょっとサクラちゃん。答えは?」
「知らない!」
サクラは先を行くナルト達の元へ走って行った。
1人残されたオレは口布の下で口角を上げる。
サクラのことだから青と答えると思ったのに。
もしかしたらサクラの中で灰色の鳥が主人の元に止まったのかもしれない。
◯寒い日の朝
「あーーさむいーー」
「ちょっと先生ジャマ!」
朝、目が覚めて朝食の準備をしようとしたのに後ろから羽交い締めにされて身動きが出来なくなってしまった。
「子供の体温は暖かいねぇ」
「離してったらー!!」
「えー?まだ寒いんだけど」
「そんなの知らないわよ!」
「うーん。じゃあ手っ取り早くさぁ・・・」
カカシの手が腰から胸に上がって小さく悲鳴が出る。
「──えっちして暖まろ?」
◯成長の重さ
「あっ!」
目の前でサクラが躓いて転びそうになるのをお腹に腕を回して助ける。
その重みがサクラの成長を感じて、この幸せな時間が終わるような気がして寂しくなってしまった。
それを感じ取ったのかサクラは心配そうな目でこちらを見てくる。
「ありがとう先生・・・どうかした?」
「ん?んー、重くなったなーって思う──」
「しゃーんなろー!!」
◯あなたなき世界で
雨に打たれながら、カカシは英雄碑の前で佇む。
たくさんもの英雄達の中に親友の名。
そして新しい名前に書かれているのは"春野サクラ"。
任務で殉職した教え子。
カカシは空を見上げると冷たい雨が容赦なく打ちつけてくる。
「・・・もう居ないんだな、サクラ」
そう問いかけてもあの声と笑顔はもう返ってこない。
もう1度会いたい。
こんなことになるなら気持ちを伝えておけば良かったと後悔する日々。
──お前が居ない世界で生きていく。
◯なれそめ
結婚の挨拶にカカシの実家に来たのだが、話に花が咲いてサクモにカカシの小さい頃のアルバムを見せてもらうことになった。
隣で恥ずかしそうにするカカシを無視して写真を見ていると、カカシの母親の写真が目に入る。
それに気づいたサクモが照れたように馴れ初めを話してくれた。
「母さんがグイグイくる人でね。気づいたら好きになってて結婚してたよ」
あはは、と笑うサクモ。
血ってすごいわとカカシを見ると、カカシは不思議そうにこちらを見てきた。
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