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short.2

今年は急な寒波が火の国の頭上を覆い、連日木ノ葉の里は真っ白だった。
基本暖かい地域なので降ることが珍しく、降っても積もることなんてほとんどなかった。
だから雪に慣れていない住人達の転倒による怪我が多発していた。
医務局に属しているサクラは毎日大勢の患者を見ていて、こっちが参ってしまうほど。
カカシの部屋を訪れているものの、ソファーに座ってから立ち上がることができないほど疲れきっている。
そんなサクラに、火影であるカカシはいつも常用している秘伝の薬をわたした。
これを飲めば2徹でも頭スッキリ、なんて怪しい謳い文句だったが、今はそんなものでも頼りたい。
サクラは何も疑うことなくそれを受け取って一息に飲み込むと、カカシは妖しく笑った。

「飲んじゃったねぇ」
「・・・え?どういうこと?」
「それ、媚薬だから」
「は!?何でそんなもの飲ますのよ!」
「ちょっとした悪戯心」

語尾にハートマークが付きそうなふざけた言葉にサクラは思い切りカカシの鳩尾に拳を打ち込んだ。
その場に蹲るカカシを横目に、だんだんとサクラの息が荒くなっていく。

「は、は・・・」
「もう効いてきた?」
「うっさい・・・!」

自分の体を庇うように縮こまるサクラの背中をカカシは人差し指で下からツーとなぞる。

「あンっ!」
「はは。いつもより敏感だ」

涙目でカカシを睨んでくるも、その瞳の熱は怒りからではないことを知っている。

「辛いでしょ?オレが助けてあげる」







「もう、ダメぇ・・・」

それからカカシにねちっこく抱かれ、何回も指と舌とカカシ自身でイかされ、終わった頃には朝日が登っていた。
それだけイかされたのだからすっかり薬の成分は抜け落ちた。
だが感謝をこの男には言いたくない。
だってこの男のせいだし。
事を終えてぐったり手足をを投げ出しているサクラの髪をカカシは愛おしそうに触る。

「そういえばあの薬ね。ただの栄養剤だよ」
「・・・・・・え!?」

カカシの言葉にサクラは勢いよく起き上がる。
あんなに身体が熱くなってたのに!?

「じゃあ、なんであんな・・・」
「いやー、オレもビックリ。サクラって暗示かかりやすいよね。幻術は得意なのに」
「暗示・・・!?」
「そ」

はは、と笑うカカシにサクラは絶句する。
カカシの言う通り、昔カカシに幻術をかけられた時も敵にかけられた時も自力で解くほどに幻術には耐性がある。
綱手に弟子入りする前にはカカシにサクラは幻術タイプだな、と言われたこともある。
そんな自分が、まさかただの暗示にまんまとかかるなんて・・・
サクラは恥ずかしさに顔を隠して悶えている姿にカカシはほくそ笑みながらサクラの頭を撫でる。

「楽しかったね。またしようか」
「ばか・・・変態火影!」


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