short.2
「サクラ。好きだからさ、オレと付き合ってよ」
任務終わり、アカデミーで早足で歩く私の後ろをカカシ先生が普通の速度で付いてくる。
その間、耳が痛いほど聞かされている告白。
本当鬱陶しいほどに。
「付き合いません」
「なんでダメなのさ。里一の上忍で強くて優しい。そしてイケメンの部類だよ?何が不満なんだ」
振り返らずに答えると、後ろから不満げな声が返ってくる。
素顔は見たことがないからあれだけど、それ以外は本当。
そしてそれを自分で言っていることに腹が立ってくる。
「先生が不誠実だからよ!」
「ふせいじつ〜?健全な成人男性の証拠でしょ。ならサクラの理想の誠実な男って誰」
「ん〜・・・イルカ先生かな」
私は立ち止まり周りを見渡すとちょうど良い人がいてその方向を指差す。
その先にいるのはアカデミーの時の担任であるイルカ先生が大量の荷物を持っていて、くノ一と話していた。
恐らく彼の性格上、困っている人を助けようと代わりに荷物を持ってあげたのだろう。
イルカ先生の腕にピッタリくっついているくノ一からお礼がどうのと聞こえてくる。
胸を押し当てられているのか顔を真っ赤にして逃げるように去っていったイルカ先生ほど真面目で誠実な人はいないだろう。
「ね。カカシ先生なら笑顔で女の人に付いて行くわ。そんな人とはお付き合いするなんてごめんよ」
ふん、と鼻を鳴らしてカカシ先生を置いてその場から去った。
いつもいつも違う女の人といるのを私見てるんだから。
そんな人の告白なんて信じられない。
だって私はまだ子供なのだから──
カカシ先生とそんな会話をして暫く経った頃、里の中で妙な噂が流れ始めた。
『はたけカカシが女遊びをやめた』
それを聞いたとき、すごい心当たりがあった。
今すぐにでも先生に問い詰めたかったけど、タイミング悪くカカシ先生単独の任務で1週間会えなくて。
そわそわしながら待ち続け、イルカ先生からカカシ先生が帰ってきたと聞いて急いで先生の部屋に向かった。
部屋の前に辿り着き、ドアの横のインターホンを鳴らすも先生は出てこない。
もう一度鳴らしても反応はなく、居ないのかなと思いながらドアノブを回す。
するとどういうことでしょう。
それは簡単に回りドアが開いたのです。
──不用心すぎでしょ。
確かにあの人は強いから泥棒が入っても簡単に倒せるんだろうけど。
だらしない担任にため息を吐きながら部屋の中に入り、目の前の光景に目を見開いた。
何故ならそこには師でありこの部屋の持ち主であるカカシ先生が倒れていたからだ。
「か、カカシ先生!?大丈夫?どこか具合悪い?任務で怪我でもしたの!?」
慌てて駆け寄り先生を揺さぶる。
開かない目を見て、このままもう先生と会えなくなるのではないかと不安でいっぱいになる。
「せんせ、カカシせんせえ・・・!」
瞳からぼろぼろと涙が溢れながら先生の名前を呼び続けていると、小さいけど声が聞こえた気がして口元に耳を近づける。
「サクラ・・・」
「なに!?」
「・・・ヤりたい」
「・・・・・・・・・」
私は体を起こし、涙を拭って蔑む目で先生を見下ろす。
拳に力を込めて思いきり先生の顔にグーパンを叩き込み、部屋を後にした。
あんな人のために泣いた自分が馬鹿らしくて笑えてくる。
任務終わり、アカデミーで早足で歩く私の後ろをカカシ先生が普通の速度で付いてくる。
その間、耳が痛いほど聞かされている告白。
本当鬱陶しいほどに。
「付き合いません」
「なんでダメなのさ。里一の上忍で強くて優しい。そしてイケメンの部類だよ?何が不満なんだ」
振り返らずに答えると、後ろから不満げな声が返ってくる。
素顔は見たことがないからあれだけど、それ以外は本当。
そしてそれを自分で言っていることに腹が立ってくる。
「先生が不誠実だからよ!」
「ふせいじつ〜?健全な成人男性の証拠でしょ。ならサクラの理想の誠実な男って誰」
「ん〜・・・イルカ先生かな」
私は立ち止まり周りを見渡すとちょうど良い人がいてその方向を指差す。
その先にいるのはアカデミーの時の担任であるイルカ先生が大量の荷物を持っていて、くノ一と話していた。
恐らく彼の性格上、困っている人を助けようと代わりに荷物を持ってあげたのだろう。
イルカ先生の腕にピッタリくっついているくノ一からお礼がどうのと聞こえてくる。
胸を押し当てられているのか顔を真っ赤にして逃げるように去っていったイルカ先生ほど真面目で誠実な人はいないだろう。
「ね。カカシ先生なら笑顔で女の人に付いて行くわ。そんな人とはお付き合いするなんてごめんよ」
ふん、と鼻を鳴らしてカカシ先生を置いてその場から去った。
いつもいつも違う女の人といるのを私見てるんだから。
そんな人の告白なんて信じられない。
だって私はまだ子供なのだから──
カカシ先生とそんな会話をして暫く経った頃、里の中で妙な噂が流れ始めた。
『はたけカカシが女遊びをやめた』
それを聞いたとき、すごい心当たりがあった。
今すぐにでも先生に問い詰めたかったけど、タイミング悪くカカシ先生単独の任務で1週間会えなくて。
そわそわしながら待ち続け、イルカ先生からカカシ先生が帰ってきたと聞いて急いで先生の部屋に向かった。
部屋の前に辿り着き、ドアの横のインターホンを鳴らすも先生は出てこない。
もう一度鳴らしても反応はなく、居ないのかなと思いながらドアノブを回す。
するとどういうことでしょう。
それは簡単に回りドアが開いたのです。
──不用心すぎでしょ。
確かにあの人は強いから泥棒が入っても簡単に倒せるんだろうけど。
だらしない担任にため息を吐きながら部屋の中に入り、目の前の光景に目を見開いた。
何故ならそこには師でありこの部屋の持ち主であるカカシ先生が倒れていたからだ。
「か、カカシ先生!?大丈夫?どこか具合悪い?任務で怪我でもしたの!?」
慌てて駆け寄り先生を揺さぶる。
開かない目を見て、このままもう先生と会えなくなるのではないかと不安でいっぱいになる。
「せんせ、カカシせんせえ・・・!」
瞳からぼろぼろと涙が溢れながら先生の名前を呼び続けていると、小さいけど声が聞こえた気がして口元に耳を近づける。
「サクラ・・・」
「なに!?」
「・・・ヤりたい」
「・・・・・・・・・」
私は体を起こし、涙を拭って蔑む目で先生を見下ろす。
拳に力を込めて思いきり先生の顔にグーパンを叩き込み、部屋を後にした。
あんな人のために泣いた自分が馬鹿らしくて笑えてくる。
51/159ページ