short.2
サスケくんとナルトが里から居なくなって、1人残された私をカカシ先生は班が解体状態になってからもちょくちょく様子を見に来てくれた。
たぶん、サスケくんを引き止められなかった罪滅ぼしなのだろう。
それでも、先生が来てくれるたびに私は1人ではないのだと安心できたし、2人に付きっきりであまり構って貰えなかったから忙しい時間を縫って会いに来てくれる先生を1人じめできることが嬉しくて。
2人でいる時間がここ最近の楽しみだった。
そうやって年の差があっても男女が2人でいるのを見ると揶揄いたくなるのが女というものだ。
いつものように2人並んで歩いていると、前から紅先生が近づいてきた。
「紅先生、こんにちは」
「こんにちは、サクラちゃん。あなた達、また2人でいるのね。仲が良くて羨ましいわ」
「何だよ。何が言いたいんだ」
「別に?いつも一緒にいるけど、もしかして付き合ってるのかしら?」
揶揄うように笑う紅先生の言葉に耳まで熱くなる。
「ち、違います!ただの生徒です!!」
思わず全力で否定してしまい、横の先生を盗み見ると先生は目を丸くしてこちらを見ていて、すぐににこりと笑った。
「そうそう。ただの先生と生徒だよ。ちょっと紅、うちのサクラが可愛いからってそんな揶揄い方しないでくれる?」
「ふふ、ごめんなさいねサクラちゃん」
「い、いえ・・・」
手を合わせて謝ってくる紅先生に苦笑いしながら頭を横に振る。
そして先生は仕事の話があると言われ、私の頭をポンと撫でて紅先生と共に去っていった。
2人の姿は背丈もちょうど良く、誰が見てもお似合いのカップルのように見えた。
それに比べ、自分はまさに子供。
隣を歩いていても誰もお似合いなど思わないだろう。
私は深いため息を吐いてトボトボと帰路を歩いた。
そんな出来事から数日経った。
最初は気のせいかなと思ったけど、カカシ先生が私と一定の距離を取るようになった。
話しかけてもどこか余所余所しくて、頭も撫でてくれなくなって。
先生の任務終わりを捕まえて修行に付き合ってくれと言えば「休むのも修行のうち」とか先生らしいことを言うし。
休みの日も私がお願いすれば買い物に付き合ってくれてたのもそれも無くなって。
紅先生の言葉を気にしているのは目に見えて分かる。
たぶん私のためなんだろうけど、私はそれを望んでいない。
私は逃げまくる先生をなんとか捕まえて腰に抱きつく。
「サクラ、離してくれる?」
「嫌です!」
逃れようと私の腕を解こうとするので絶対離すものかと更に抱きつく。
先生は諦めたようにため息を吐いた。
「こんなおじさんとくっ付いてたら変な噂が流れちゃうよ?」
「いいです、それでも」
顔を上げると先生の目が今まで見たことないほどまん丸になっていた。
私は顔を真っ赤にして心の中にある言葉を口にする。
「私、カカシ先生とそういう噂が流れてもいいの」
たぶん、サスケくんを引き止められなかった罪滅ぼしなのだろう。
それでも、先生が来てくれるたびに私は1人ではないのだと安心できたし、2人に付きっきりであまり構って貰えなかったから忙しい時間を縫って会いに来てくれる先生を1人じめできることが嬉しくて。
2人でいる時間がここ最近の楽しみだった。
そうやって年の差があっても男女が2人でいるのを見ると揶揄いたくなるのが女というものだ。
いつものように2人並んで歩いていると、前から紅先生が近づいてきた。
「紅先生、こんにちは」
「こんにちは、サクラちゃん。あなた達、また2人でいるのね。仲が良くて羨ましいわ」
「何だよ。何が言いたいんだ」
「別に?いつも一緒にいるけど、もしかして付き合ってるのかしら?」
揶揄うように笑う紅先生の言葉に耳まで熱くなる。
「ち、違います!ただの生徒です!!」
思わず全力で否定してしまい、横の先生を盗み見ると先生は目を丸くしてこちらを見ていて、すぐににこりと笑った。
「そうそう。ただの先生と生徒だよ。ちょっと紅、うちのサクラが可愛いからってそんな揶揄い方しないでくれる?」
「ふふ、ごめんなさいねサクラちゃん」
「い、いえ・・・」
手を合わせて謝ってくる紅先生に苦笑いしながら頭を横に振る。
そして先生は仕事の話があると言われ、私の頭をポンと撫でて紅先生と共に去っていった。
2人の姿は背丈もちょうど良く、誰が見てもお似合いのカップルのように見えた。
それに比べ、自分はまさに子供。
隣を歩いていても誰もお似合いなど思わないだろう。
私は深いため息を吐いてトボトボと帰路を歩いた。
そんな出来事から数日経った。
最初は気のせいかなと思ったけど、カカシ先生が私と一定の距離を取るようになった。
話しかけてもどこか余所余所しくて、頭も撫でてくれなくなって。
先生の任務終わりを捕まえて修行に付き合ってくれと言えば「休むのも修行のうち」とか先生らしいことを言うし。
休みの日も私がお願いすれば買い物に付き合ってくれてたのもそれも無くなって。
紅先生の言葉を気にしているのは目に見えて分かる。
たぶん私のためなんだろうけど、私はそれを望んでいない。
私は逃げまくる先生をなんとか捕まえて腰に抱きつく。
「サクラ、離してくれる?」
「嫌です!」
逃れようと私の腕を解こうとするので絶対離すものかと更に抱きつく。
先生は諦めたようにため息を吐いた。
「こんなおじさんとくっ付いてたら変な噂が流れちゃうよ?」
「いいです、それでも」
顔を上げると先生の目が今まで見たことないほどまん丸になっていた。
私は顔を真っ赤にして心の中にある言葉を口にする。
「私、カカシ先生とそういう噂が流れてもいいの」
60/159ページ