short.2
◯ダブルベッド
「そろそろ手狭になってきたな」
彼の一言は突然だった。
恋人になって転がり込むように半同棲をし始めたのだが、自分に関心のない先生は上忍にも関わらず築50年は経っているであろうボロボロアパートに住んでいる。
1人なら充分だろうが2人では少し狭い。
それに大きいベッドは置けないからシングルベッドに2人でくっついて眠るしかない。
私たちは不動産屋を巡りお気に入りの部屋を見つけてすぐに引越しをした。
その時にベッドも2人でも充分な大きさのものを。
夜、いつものように服をひん剥かれ、覆い被さる彼からの甘いキスを受けていると、少し顔を離したカカシ先生は意地悪気に笑う。
「これで思い切りサクラを抱けるね」
その言葉に顔を赤くすると先生はおかしそうに笑ってまた唇を塞いだ。
◯横の幸せ
気持ちの良い木漏れ日に、知らずに疲れていたのか木にもたれかかってウトウトと寝入ってしまった。
まさにお昼寝日和。
暫く夢の中を浮遊していると遠くからギャーギャー騒ぐ声が聞こえてきて、またアイツら喧嘩しているのかと無理やり意識を浮上させる。
目を開けると陽の光に眉を顰める。
ふと、投げ出された自分の足の横に遥かに小さい足が見えた。
顔を向けると隣で本に目線を落としていたサクラが視線に気づいてこちらに顔を向けて微笑む。
「おはようございます。カカシ先生」
この光景にすごく幸せを感じてしまった。
◯花火
『また2人で見に来よう』
そう言ったあなたはもうこの世にいない。
「・・・嘘つき」
綺麗に夜空を照らす花火に、1人涙を流して光が消える最後まで目に焼き付けた。
花火は亡くなった人を追悼する意味を持つのだとか──。
◯それは何色
カカシ先生の部屋に遊びにきてソファーに座って雑誌を読んでいると、床にだらしなく寝転がる先生がこちらに顔を向けて、
「・・・ピンクか」
一瞬何を言っているのか分からなくて雑誌から先生に視線を向けるもの先生の目は私の顔ではなくてもっと下、お腹の下らへんに・・・
「!!きもいきもい!変態ー!!」
だらしなく緩んでいる顔を思い切り踏んづけてやった。
◯恋のお菓子
先ほど待機所に向かっているときに年下であろうくノ一からお菓子を貰った。
明らかに手作りの、綺麗にラッピングされた焼き菓子。
無下にできず、笑顔を作ってお礼を言い、その場を立ち去った。
そして待機所に着くなりその菓子をゴミ箱に捨てているとタイミングが良いのか悪いのか、同期の紅に見つかってしまった。
「うわ、サイテーだわ」
「名前も知らない奴の手作りなんて、何が入ってるか分からなくて食べれるわけないでしょ」
「なら貰わなかったらいいじゃない」
「愛想振り撒いとけば何か良いことあるかもしれないし」
「・・・本当最低だわ」
何事もなかったかのようにソファーに座りイチャパラを読み出すカカシを紅は屑を見るような目で見ていた。
後日、紅が待機所に入ると、ソファーに座り手作りのカップケーキを食べているカカシを見つける。
「あら、それは食べるのね」
「うん。サクラの手作りだし」
ふぅん、と紅はカカシの前のソファーに座って足を組む。
「教え子のは安全てこと?」
「もしサクラがスパイだと分かってても食べるよ」
「どうして?」
「好きな子のものは毒が入ってても食べるから」
最後の一口を口に放り込むカカシに、恋は盲目とはこういうことね、呆れたようにため息を吐く紅だった。
「そろそろ手狭になってきたな」
彼の一言は突然だった。
恋人になって転がり込むように半同棲をし始めたのだが、自分に関心のない先生は上忍にも関わらず築50年は経っているであろうボロボロアパートに住んでいる。
1人なら充分だろうが2人では少し狭い。
それに大きいベッドは置けないからシングルベッドに2人でくっついて眠るしかない。
私たちは不動産屋を巡りお気に入りの部屋を見つけてすぐに引越しをした。
その時にベッドも2人でも充分な大きさのものを。
夜、いつものように服をひん剥かれ、覆い被さる彼からの甘いキスを受けていると、少し顔を離したカカシ先生は意地悪気に笑う。
「これで思い切りサクラを抱けるね」
その言葉に顔を赤くすると先生はおかしそうに笑ってまた唇を塞いだ。
◯横の幸せ
気持ちの良い木漏れ日に、知らずに疲れていたのか木にもたれかかってウトウトと寝入ってしまった。
まさにお昼寝日和。
暫く夢の中を浮遊していると遠くからギャーギャー騒ぐ声が聞こえてきて、またアイツら喧嘩しているのかと無理やり意識を浮上させる。
目を開けると陽の光に眉を顰める。
ふと、投げ出された自分の足の横に遥かに小さい足が見えた。
顔を向けると隣で本に目線を落としていたサクラが視線に気づいてこちらに顔を向けて微笑む。
「おはようございます。カカシ先生」
この光景にすごく幸せを感じてしまった。
◯花火
『また2人で見に来よう』
そう言ったあなたはもうこの世にいない。
「・・・嘘つき」
綺麗に夜空を照らす花火に、1人涙を流して光が消える最後まで目に焼き付けた。
花火は亡くなった人を追悼する意味を持つのだとか──。
◯それは何色
カカシ先生の部屋に遊びにきてソファーに座って雑誌を読んでいると、床にだらしなく寝転がる先生がこちらに顔を向けて、
「・・・ピンクか」
一瞬何を言っているのか分からなくて雑誌から先生に視線を向けるもの先生の目は私の顔ではなくてもっと下、お腹の下らへんに・・・
「!!きもいきもい!変態ー!!」
だらしなく緩んでいる顔を思い切り踏んづけてやった。
◯恋のお菓子
先ほど待機所に向かっているときに年下であろうくノ一からお菓子を貰った。
明らかに手作りの、綺麗にラッピングされた焼き菓子。
無下にできず、笑顔を作ってお礼を言い、その場を立ち去った。
そして待機所に着くなりその菓子をゴミ箱に捨てているとタイミングが良いのか悪いのか、同期の紅に見つかってしまった。
「うわ、サイテーだわ」
「名前も知らない奴の手作りなんて、何が入ってるか分からなくて食べれるわけないでしょ」
「なら貰わなかったらいいじゃない」
「愛想振り撒いとけば何か良いことあるかもしれないし」
「・・・本当最低だわ」
何事もなかったかのようにソファーに座りイチャパラを読み出すカカシを紅は屑を見るような目で見ていた。
後日、紅が待機所に入ると、ソファーに座り手作りのカップケーキを食べているカカシを見つける。
「あら、それは食べるのね」
「うん。サクラの手作りだし」
ふぅん、と紅はカカシの前のソファーに座って足を組む。
「教え子のは安全てこと?」
「もしサクラがスパイだと分かってても食べるよ」
「どうして?」
「好きな子のものは毒が入ってても食べるから」
最後の一口を口に放り込むカカシに、恋は盲目とはこういうことね、呆れたようにため息を吐く紅だった。
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