short.2
◯落書き
任務の帰り、突然バケツをひっくり返したかのように土砂降りにあい、4人は急いで近くの小屋に避難した。
「もー、最悪・・・ビショビショだわ・・・」
サクラは文句を言いながら服を絞っていると、小屋の壁に書かれているものを見つけた。
近づいてよく見ると、薄れて名前は読めなくなっていたが、マジックで書かれた相合傘だった。
サクラはあることを思いついて、鞄からペンを取り出す。
その相合傘の横に新たに同じのを書いて右に自分の名を、そして左に──。
ドキドキしながら書こうとした時、後ろから突然ペンを取り上げられた。
驚いて振り向くとそこには師が立っていて、相合傘の中のサクラの名前の隣にある名を書いた。
『カカシ』と。
ハートが描かれた傘の中でサクラとカカシの名が隣同士で並んでいた。
サクラはあまりの出来事に口をパクパク動かしてカカシの顔を見ると、カカシはにこりと微笑んで立ち去った。
そして入れ替わりでサクラの横に2人が来て、そこに書かれた名前にナルトは騒ぎ、サスケは何も言わずに立ち去り。
サクラは膝から泣き崩れた。
◯守ってくれる背中
いつも私を守ってくれる背中。
安心出来るけど、私だってナルトやサスケくんと同じ忍なのよ?
「先生はなんでいつも守ってくれるの?」
前を歩く男の背に話しかけると、目を丸くして振り返る。
男は少し考えるように上を見て、真っ直ぐ私を見る。
「そりゃ、男は好きな子を守りたくなるものなんだよ」
微笑む男の言葉に今度は私が目を丸くさせられた。
◯あなたの心にいる人
雨の中、傘もささずにある人のお墓の前で佇む人がいた。
私は近づいて、さしていた傘を地面に置いてその人に後ろから抱きつく。
「サクラ。どうした?」
「べつに・・・」
大きな背中に顔を摺り寄せると、先生は大きな手をお腹に回る私の手に合わせてくれる。
ずっと先生の心に存在する先生の仲間だった人。
私のことを大事にしてくれてるのはすごく伝わってくる。
でも。
こうやって亡き人を想う先生を見るとすごく辛いのよ。
リンさんには一生勝てないんだなって思うから。
◯胸の測り方
「やっぱりキツイ気がする」
「何が?」
「胸よ、胸。最近、使ってたブラだと胸がきつくて。大きくなったのかなー」
「そりゃオレが毎日大きくなるように揉んでるからな」
「自分で測ってみよっと。せんせー、この部屋にメジャーってあるー?」
カカシの言葉を無視して部屋の中を漁るサクラに、ため息を吐いて棚からメジャーを取り出して渡す。
サクラは受け取るなり洗面所へと向かうので腕を掴んで引き留める。
「どこ行くの」
「どこって。先生がいるから洗面所で測ろうと思って」
「ここですればいいじゃない」
「・・・先生がどっか行ってくれるわけ?」
「まさか。とゆうか、オレが測ってあげるよ」
「!!いい!自分で出来ます!」
「そう遠慮しないで。サクラの裸なんて何回も見てるんだから」
「ちょ、やだ、やめてったらーー!!」
抵抗も虚しく、サイズを測るだけで終わるはずのない男によって色々触られて。
終わった後にきちんと測ったら1サイズ上がっていた。
◯相合傘
今日はお休みの日。
修行ばかりで本屋にずっと行けてなかったから、久しぶりの本屋で思う存分楽しめた。
本屋を出ると雨が降っていて、ちゃんと天気予報を見てきたので店先の傘立てに入れておいた傘を手に取ってお店を出る。
右手にはお気に入りの傘、左手には気になっていた本数冊。
帰ったら夜ご飯まで本に集中しよう。
楽しみで思わずふふ、と笑ってしまい、スキップしそうな気分を抑えて家路を歩いていると、いきなり傘が引っ張られて後ろから誰かが私の傘に入ってきた。
ビックリしてその人物を見ると、
「か、カカシ先生?」
いつもは額当てで立っている銀髪が濡れて垂れていた。
先生は額当てを取って髪をかきあげる。
「悪いけどアカデミーまで入れてくれる?」
「いいですけど、天気予報見てなかったんですか?」
「オレがちゃんと確認する男に見えるか?」
「・・・見えません」
でしょ、と先生は笑って私の手から傘を取って代わりに傘をさしてくれる。
その横を歩いていると「これって相合傘じゃない?」と考えてしまい頭を横に振る。
相手はカカシ先生なのよ?と、横目で先生を見るとあることに気づく。
先生の肩が雨で濡れていた。
元から濡れていたけど、傘から垂れる雨粒が肩にかかっているのが見えた。
逆に私は全く濡れていない。
十分の大きさの傘と言ってもそれは1人で使う時の話で、2人で入るには小さい。
しかも先生は体も大きい。
そっちに傾けてと言っても「大丈夫」とか何とか言ってこちらに傾けたまま歩くだろう、この男は。
だらしなくて、他人なんて気にしないように見えるけど、いつもさりげなく私を助けてくれる。
それって私にだけ?
視線に気づいた先生と目が合って頬が熱くなる。
「どうした?」
「・・・何でもない」
私は先生から目を逸らして、気づかれないぐらいに距離を縮めた。
任務の帰り、突然バケツをひっくり返したかのように土砂降りにあい、4人は急いで近くの小屋に避難した。
「もー、最悪・・・ビショビショだわ・・・」
サクラは文句を言いながら服を絞っていると、小屋の壁に書かれているものを見つけた。
近づいてよく見ると、薄れて名前は読めなくなっていたが、マジックで書かれた相合傘だった。
サクラはあることを思いついて、鞄からペンを取り出す。
その相合傘の横に新たに同じのを書いて右に自分の名を、そして左に──。
ドキドキしながら書こうとした時、後ろから突然ペンを取り上げられた。
驚いて振り向くとそこには師が立っていて、相合傘の中のサクラの名前の隣にある名を書いた。
『カカシ』と。
ハートが描かれた傘の中でサクラとカカシの名が隣同士で並んでいた。
サクラはあまりの出来事に口をパクパク動かしてカカシの顔を見ると、カカシはにこりと微笑んで立ち去った。
そして入れ替わりでサクラの横に2人が来て、そこに書かれた名前にナルトは騒ぎ、サスケは何も言わずに立ち去り。
サクラは膝から泣き崩れた。
◯守ってくれる背中
いつも私を守ってくれる背中。
安心出来るけど、私だってナルトやサスケくんと同じ忍なのよ?
「先生はなんでいつも守ってくれるの?」
前を歩く男の背に話しかけると、目を丸くして振り返る。
男は少し考えるように上を見て、真っ直ぐ私を見る。
「そりゃ、男は好きな子を守りたくなるものなんだよ」
微笑む男の言葉に今度は私が目を丸くさせられた。
◯あなたの心にいる人
雨の中、傘もささずにある人のお墓の前で佇む人がいた。
私は近づいて、さしていた傘を地面に置いてその人に後ろから抱きつく。
「サクラ。どうした?」
「べつに・・・」
大きな背中に顔を摺り寄せると、先生は大きな手をお腹に回る私の手に合わせてくれる。
ずっと先生の心に存在する先生の仲間だった人。
私のことを大事にしてくれてるのはすごく伝わってくる。
でも。
こうやって亡き人を想う先生を見るとすごく辛いのよ。
リンさんには一生勝てないんだなって思うから。
◯胸の測り方
「やっぱりキツイ気がする」
「何が?」
「胸よ、胸。最近、使ってたブラだと胸がきつくて。大きくなったのかなー」
「そりゃオレが毎日大きくなるように揉んでるからな」
「自分で測ってみよっと。せんせー、この部屋にメジャーってあるー?」
カカシの言葉を無視して部屋の中を漁るサクラに、ため息を吐いて棚からメジャーを取り出して渡す。
サクラは受け取るなり洗面所へと向かうので腕を掴んで引き留める。
「どこ行くの」
「どこって。先生がいるから洗面所で測ろうと思って」
「ここですればいいじゃない」
「・・・先生がどっか行ってくれるわけ?」
「まさか。とゆうか、オレが測ってあげるよ」
「!!いい!自分で出来ます!」
「そう遠慮しないで。サクラの裸なんて何回も見てるんだから」
「ちょ、やだ、やめてったらーー!!」
抵抗も虚しく、サイズを測るだけで終わるはずのない男によって色々触られて。
終わった後にきちんと測ったら1サイズ上がっていた。
◯相合傘
今日はお休みの日。
修行ばかりで本屋にずっと行けてなかったから、久しぶりの本屋で思う存分楽しめた。
本屋を出ると雨が降っていて、ちゃんと天気予報を見てきたので店先の傘立てに入れておいた傘を手に取ってお店を出る。
右手にはお気に入りの傘、左手には気になっていた本数冊。
帰ったら夜ご飯まで本に集中しよう。
楽しみで思わずふふ、と笑ってしまい、スキップしそうな気分を抑えて家路を歩いていると、いきなり傘が引っ張られて後ろから誰かが私の傘に入ってきた。
ビックリしてその人物を見ると、
「か、カカシ先生?」
いつもは額当てで立っている銀髪が濡れて垂れていた。
先生は額当てを取って髪をかきあげる。
「悪いけどアカデミーまで入れてくれる?」
「いいですけど、天気予報見てなかったんですか?」
「オレがちゃんと確認する男に見えるか?」
「・・・見えません」
でしょ、と先生は笑って私の手から傘を取って代わりに傘をさしてくれる。
その横を歩いていると「これって相合傘じゃない?」と考えてしまい頭を横に振る。
相手はカカシ先生なのよ?と、横目で先生を見るとあることに気づく。
先生の肩が雨で濡れていた。
元から濡れていたけど、傘から垂れる雨粒が肩にかかっているのが見えた。
逆に私は全く濡れていない。
十分の大きさの傘と言ってもそれは1人で使う時の話で、2人で入るには小さい。
しかも先生は体も大きい。
そっちに傾けてと言っても「大丈夫」とか何とか言ってこちらに傾けたまま歩くだろう、この男は。
だらしなくて、他人なんて気にしないように見えるけど、いつもさりげなく私を助けてくれる。
それって私にだけ?
視線に気づいた先生と目が合って頬が熱くなる。
「どうした?」
「・・・何でもない」
私は先生から目を逸らして、気づかれないぐらいに距離を縮めた。
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