◉ツクシ
「んー!」
ツクシが力を込めるて手をかざすと、怪我をしていた鳥が元気に羽を動かしてツクシの肩に飛び乗る。
「すごいわ、ツクシ。もうここまで出来るようになったのね」
「えへへ・・・」
先ほど公園で木から落ちた鳥がいたのでサクラが治そうと思ったのだが、最近医療忍術を勉強しているツクシが自分でしたいと申し出た。
鳥の体の構造をしっかり教えてゆっくりと時間をかけてチャクラを流すと、丁寧な治療のおかげで鳥は元気になった。
お礼を言うようにツクシの手に止まる鳥にツクシは嬉しそうに笑う。
まだ6歳の子供が1人で小さいとはいえ動物を治したのだ。
サクラ譲りのチャクラコントロールと、カカシの天才気質を受け継いだのだろう。
これはどんな忍になるのか楽しみだ。
「紫電!」
話していると近くからバリバリと雷の音がする。
音のする方に向かうとサスケとハルカがおり、ハルカの手の中で紫の雷があった。
紫電はカカシの術なのだが、カカシも忙しい身のため、サスケが里に帰ってきた時はこうやって修行を付けているのだ。
「そこまで」
「ありがとう、ございました・・・」
サスケの合図で肩で息をしていたハルカは後ろ向きに倒れる。
「お姉ちゃん!」
ツクシは慌ててハルカに駆け寄る。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「大丈夫、だいじょーぶ・・・」
「前より早く術を出せるようになった。だが体力がない。ちゃんとトレーニングしておけ」
「はーい・・・」
好きな人に稽古を付けてもらえることに最初は喜びはしたものの、サスケの稽古は厳しくて終わった時にはヘトヘトになっている。
終わった後にデート、なんて浮かれていた自分に現実を見せたい。
「そうだ、ツク。あの鳥さんは?」
「あそこ」
ツクシが指差す先にはあの鳥が枝に止まっていて、元気に羽ばたいていった。
怪我をしていたとは思えないほどに。
「ツクシすごいじゃない!さすが私の自慢の妹!」
ハルカが思い切り抱きしめると、ツクシは満面の笑みで抱きしめ返す。
仲良く抱きしめあっていると、林の奥から人影が2つ。
「よー。調子はどうだー?」
「パパ!」
遅れてやってきたカカシを見つけてハルカは思い切りカカシに飛びつく。
カカシは満面の笑みでハルカを抱え上げて肩車をする。
「修行お疲れさん」
「パパもお疲れ様。もうお仕事はいいの?」
「あぁ。今日は終わりだよ」
「やった!」
頭の上で嬉しそうに喜ぶハルカに、カカシの顔はだらしないほどに緩み切っていた。
ツクシはカカシと一緒に来たナルトを見つけて、ナルトが持っている袋を指差す。
「ナルト、なぁにこれ」
「これはねぇ・・・修行を頑張る2人へのオレからのご褒美だってばよ!」
「ご褒美!?」
ナルトの言葉にハルカは後ろ回りをしてカカシから降り、ナルトの元に向かう。
さっきまでパパが来て嬉しそうにしていたのに。
自分もお土産買ってくれば良かったとカカシは人知れず落ち込んだ。
「なになに?何なのよナルト!」
「ちょっと待って・・・じゃーん!1日10個限定のデラックスあんみつだってばよ!」
「やったー!ナルト大好きー!」
「なっ!!」
ハルカはナルトに飛びつき、大好き発言。
さっきのショックが抜け切れていないカカシは目の前の光景に言葉を失った。
「ツクシもちゃんとお礼して」
「・・・ありがとう、ナルト」
「どういたしましてー!」
上目遣いでモジモジする姿はアカデミーのサクラを彷彿とさせて可愛くてしょうがなく、先ほどのカカシのようにデレデレと頬を緩ませている。
そんなナルトの肩をカカシが後ろから骨が軋むほどに掴む。
「ナルト・・・ちょっとあっちでお話ししようか」
「・・・え゛」
カカシの顔はニコニコと笑っているものの、それは笑っていないことを長年の付き合いで分かっている。
抵抗も出来ぬまま、青ざめた表情のナルトはカカシに引きずられるように来た道を戻っていき、その様子を見ていたサクラとサスケは同情の目で見送った。
「ママー、サスケくん食べよーよ。ちゃんと3つ買ってるわよ、ナルト」
「あら本当。あのナルトがこんな気遣い出来るなんてビックリ」
「本当にな」
サクラとサスケは昔のナルトのことを思い出しているのか、お互い顔を見つめ合って苦笑する。
今のナルトはだいぶ落ち着いたが、昔は何かとサスケに張り合うために何も考えずに突っ込みに行って、何度迷惑をかけられたものか。
「はいサスケくん!あーん」
「・・・オレはいい」
「はい!あーん!」
甘いものが苦手だから断ろうとするも、断ることを許さないというハルカの希薄に渋々口を開いて口に入れる。
あーんを出来たからか嬉しそうにあんみつを頬張るハルカを横目に、サスケは苦虫を潰したような顔で飲み込んだ。
そんな2人をサクラは微笑で見ながら、もしこんなところをカカシに見られたら大変なことになってたな、と思っていると後ろから音が聞こえ振り向けば、カカシが膝から崩れて泣いていた。
大の男が本気で泣いている。
自分の夫の情けなさに呆れていると、よく見ればその後ろでは黒焦げになっているナルトが倒れていた。
ツクシが力を込めるて手をかざすと、怪我をしていた鳥が元気に羽を動かしてツクシの肩に飛び乗る。
「すごいわ、ツクシ。もうここまで出来るようになったのね」
「えへへ・・・」
先ほど公園で木から落ちた鳥がいたのでサクラが治そうと思ったのだが、最近医療忍術を勉強しているツクシが自分でしたいと申し出た。
鳥の体の構造をしっかり教えてゆっくりと時間をかけてチャクラを流すと、丁寧な治療のおかげで鳥は元気になった。
お礼を言うようにツクシの手に止まる鳥にツクシは嬉しそうに笑う。
まだ6歳の子供が1人で小さいとはいえ動物を治したのだ。
サクラ譲りのチャクラコントロールと、カカシの天才気質を受け継いだのだろう。
これはどんな忍になるのか楽しみだ。
「紫電!」
話していると近くからバリバリと雷の音がする。
音のする方に向かうとサスケとハルカがおり、ハルカの手の中で紫の雷があった。
紫電はカカシの術なのだが、カカシも忙しい身のため、サスケが里に帰ってきた時はこうやって修行を付けているのだ。
「そこまで」
「ありがとう、ございました・・・」
サスケの合図で肩で息をしていたハルカは後ろ向きに倒れる。
「お姉ちゃん!」
ツクシは慌ててハルカに駆け寄る。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「大丈夫、だいじょーぶ・・・」
「前より早く術を出せるようになった。だが体力がない。ちゃんとトレーニングしておけ」
「はーい・・・」
好きな人に稽古を付けてもらえることに最初は喜びはしたものの、サスケの稽古は厳しくて終わった時にはヘトヘトになっている。
終わった後にデート、なんて浮かれていた自分に現実を見せたい。
「そうだ、ツク。あの鳥さんは?」
「あそこ」
ツクシが指差す先にはあの鳥が枝に止まっていて、元気に羽ばたいていった。
怪我をしていたとは思えないほどに。
「ツクシすごいじゃない!さすが私の自慢の妹!」
ハルカが思い切り抱きしめると、ツクシは満面の笑みで抱きしめ返す。
仲良く抱きしめあっていると、林の奥から人影が2つ。
「よー。調子はどうだー?」
「パパ!」
遅れてやってきたカカシを見つけてハルカは思い切りカカシに飛びつく。
カカシは満面の笑みでハルカを抱え上げて肩車をする。
「修行お疲れさん」
「パパもお疲れ様。もうお仕事はいいの?」
「あぁ。今日は終わりだよ」
「やった!」
頭の上で嬉しそうに喜ぶハルカに、カカシの顔はだらしないほどに緩み切っていた。
ツクシはカカシと一緒に来たナルトを見つけて、ナルトが持っている袋を指差す。
「ナルト、なぁにこれ」
「これはねぇ・・・修行を頑張る2人へのオレからのご褒美だってばよ!」
「ご褒美!?」
ナルトの言葉にハルカは後ろ回りをしてカカシから降り、ナルトの元に向かう。
さっきまでパパが来て嬉しそうにしていたのに。
自分もお土産買ってくれば良かったとカカシは人知れず落ち込んだ。
「なになに?何なのよナルト!」
「ちょっと待って・・・じゃーん!1日10個限定のデラックスあんみつだってばよ!」
「やったー!ナルト大好きー!」
「なっ!!」
ハルカはナルトに飛びつき、大好き発言。
さっきのショックが抜け切れていないカカシは目の前の光景に言葉を失った。
「ツクシもちゃんとお礼して」
「・・・ありがとう、ナルト」
「どういたしましてー!」
上目遣いでモジモジする姿はアカデミーのサクラを彷彿とさせて可愛くてしょうがなく、先ほどのカカシのようにデレデレと頬を緩ませている。
そんなナルトの肩をカカシが後ろから骨が軋むほどに掴む。
「ナルト・・・ちょっとあっちでお話ししようか」
「・・・え゛」
カカシの顔はニコニコと笑っているものの、それは笑っていないことを長年の付き合いで分かっている。
抵抗も出来ぬまま、青ざめた表情のナルトはカカシに引きずられるように来た道を戻っていき、その様子を見ていたサクラとサスケは同情の目で見送った。
「ママー、サスケくん食べよーよ。ちゃんと3つ買ってるわよ、ナルト」
「あら本当。あのナルトがこんな気遣い出来るなんてビックリ」
「本当にな」
サクラとサスケは昔のナルトのことを思い出しているのか、お互い顔を見つめ合って苦笑する。
今のナルトはだいぶ落ち着いたが、昔は何かとサスケに張り合うために何も考えずに突っ込みに行って、何度迷惑をかけられたものか。
「はいサスケくん!あーん」
「・・・オレはいい」
「はい!あーん!」
甘いものが苦手だから断ろうとするも、断ることを許さないというハルカの希薄に渋々口を開いて口に入れる。
あーんを出来たからか嬉しそうにあんみつを頬張るハルカを横目に、サスケは苦虫を潰したような顔で飲み込んだ。
そんな2人をサクラは微笑で見ながら、もしこんなところをカカシに見られたら大変なことになってたな、と思っていると後ろから音が聞こえ振り向けば、カカシが膝から崩れて泣いていた。
大の男が本気で泣いている。
自分の夫の情けなさに呆れていると、よく見ればその後ろでは黒焦げになっているナルトが倒れていた。