◉ハルカ
今日はハルカがナルトと遊びに行っているので、久々の夫婦水入らずの時間。
ソファーに並んで座り、借りてきた映画を見ていると呼び鈴が鳴る。
ハルカが帰るってくるには早いな、と思いながらサクラが玄関のドアを開けると、そこには昨日里に帰って来ていたサスケが立っていた。
「あら、サスケくん。どうしたの?」
「・・・ これがオレの家のドアに挟まっていた」
「手紙?」
サスケから手紙を受け取って読む。
「あらまぁ。せんせー、きてー」
部屋の奥から「なにー」の声と共にカカシが歩いてくる。
「あれ、サスケ?お前どうした」
夫婦になると第一声は同じになるのか、とサスケは心の中で苦笑する。
「先生これ読んで」
「手紙?」
カカシはサクラから手紙を受け取り内容を確認する。
そこには、
『ハルカはゆうかいした』
「ゆ、誘拐!?」
カカシはほぼゼロ距離で何度も手紙を読み返す。
その下にはご丁寧に場所も書かれていた。
「サスケくんの家のドアに挟まってたんですって」
「何でサスケなんだ!!」
「オレが知るか」
涙目で睨んでくるカカシに、サスケはサクラにだけ話せば良かったと後悔する。
カカシは手紙をグシャリと握りしめてサクラの肩を掴む。
「さ、サクラ!どうしたらいい、身代金はいくらだ!?」
「カカシ先生、落ち着いて。たぶん大丈夫よ」
「何言ってんの!今頃ハルカは怖い思いしてるかもしれないのに!」
カカシを落ち着かせようとするも、愛娘の危機にカカシはサスケの腕を掴んで外へと引っ張る。
「行くぞサスケ!」
「は、何でオレが」
「お前に届いた手紙でしょーが!!」
そのままサスケはカカシに引きずられる形で2人は家を飛び出していった。
1人置いていかれたサクラは呆れたように笑う。
「・・・ほんと、過保護なんだから」
****
とある建物で、ナルトとハルカは息を潜めていた。
「・・・ねぇハルカちゃん。こんなことして本当に大丈夫?」
「だいじょーぶ!」
ナルトが隣に座るハルカに何度聞いてもテンションが上がっているハルカは何度も同じ返事をする。
この誘拐事件、実はハルカとナルトの自作自演。
サスケの気を引きたいハルカがナルトを巻き込んだのだ。
ハルカがクレヨンで手紙を書き、ナルトがこっそりサスケの家のドアに手紙を挟むという恋の共犯作業。
恋をしたら一直線のサクラの血をちゃんと引き継いでいるハルカに、ずっと側で見てきたナルトは複雑な気持ちだった。
しかし、あのサスケが素直にここに来るのだろうか。
ナルトが手紙を持っていって30分が経っている。
健気なハルカはずっと待ち続けるだろうが、ちゃんと家に送り届けないとあの鬼に殺されてしまう・・・。
ナルトはその恐ろしさに身震いをした時、
2人のいる部屋のドアが雷のような音と共に勢いよく吹き飛んだ。
ナルトはハルカを抱えて後ろに飛び、部屋に充満する土煙に咳き込みながら出入り口に立つ人影に目を凝らすと、
そこには鬼の形相の顔をしたカカシが立っていた。
「か、かかかかカカシ、先生・・・!!」
「ナルトぉ・・・お前かぁ・・・」
出会って初めて向けられる元暗部の本気の殺意にナルトは涙目になっていると、
「パパじゃない!!」
「「えっ!!」」
ナルトの前でカカシを睨むように仁王立ちをするハルカに2人は素っ頓狂な声を出す。
「は、ハルカ・・・?」
「パパはかえって!!」
「そ、そんなぁ・・・」
今度はカカシが涙目になっている。
その後ろからサスケが顔を出し、顰めっ面だったハルカは顔を綻ばせてカカシを無視してサスケの足に飛びつく。
「サスケくん!わるいまじょからたすけてくれたのね!」
「いや、オレは何もしていない・・・」
そんなことは関係ないと嬉しそうにサスケに擦り寄るハルカ。
ようやくハルカのおままごとが終わったと安心しているナルトの肩を後ろから骨が軋む音がするほど掴まれる。
恐る恐る振り返ると、怖いほどカカシが笑っていた。
「そうか・・・お前が悪い魔女か・・・」
「ち、ちが・・・!これはハルカちゃんが!!」
「問答無用!!」
紫電の音とナルトの叫びが響き渡った。
****
「ただいまー!」
「ただーいま・・・」
「おかえりなさい」
満面の笑みのハルカと疲れ切った顔のカカシが一緒に帰ってきてサクラが出迎える。
「楽しかった?」
「うん!」
ハルカは元気に頷いて洗面所に向かう。
サクラは玄関に座るカカシの横にしゃがむ。
「お疲れ様」
「はー・・・何でサクラは最初から分かってたわけ?」
「だって明らかにハルカの字だったし。それに最近、悪い魔女からお姫様を助ける王子様の絵本にハマってたから、あの子」
「それ言ってよ・・・」
「まだまだね、カカシ先生?」
肩を落とすカカシにサクラはおかしそうに笑った。
ソファーに並んで座り、借りてきた映画を見ていると呼び鈴が鳴る。
ハルカが帰るってくるには早いな、と思いながらサクラが玄関のドアを開けると、そこには昨日里に帰って来ていたサスケが立っていた。
「あら、サスケくん。どうしたの?」
「・・・ これがオレの家のドアに挟まっていた」
「手紙?」
サスケから手紙を受け取って読む。
「あらまぁ。せんせー、きてー」
部屋の奥から「なにー」の声と共にカカシが歩いてくる。
「あれ、サスケ?お前どうした」
夫婦になると第一声は同じになるのか、とサスケは心の中で苦笑する。
「先生これ読んで」
「手紙?」
カカシはサクラから手紙を受け取り内容を確認する。
そこには、
『ハルカはゆうかいした』
「ゆ、誘拐!?」
カカシはほぼゼロ距離で何度も手紙を読み返す。
その下にはご丁寧に場所も書かれていた。
「サスケくんの家のドアに挟まってたんですって」
「何でサスケなんだ!!」
「オレが知るか」
涙目で睨んでくるカカシに、サスケはサクラにだけ話せば良かったと後悔する。
カカシは手紙をグシャリと握りしめてサクラの肩を掴む。
「さ、サクラ!どうしたらいい、身代金はいくらだ!?」
「カカシ先生、落ち着いて。たぶん大丈夫よ」
「何言ってんの!今頃ハルカは怖い思いしてるかもしれないのに!」
カカシを落ち着かせようとするも、愛娘の危機にカカシはサスケの腕を掴んで外へと引っ張る。
「行くぞサスケ!」
「は、何でオレが」
「お前に届いた手紙でしょーが!!」
そのままサスケはカカシに引きずられる形で2人は家を飛び出していった。
1人置いていかれたサクラは呆れたように笑う。
「・・・ほんと、過保護なんだから」
****
とある建物で、ナルトとハルカは息を潜めていた。
「・・・ねぇハルカちゃん。こんなことして本当に大丈夫?」
「だいじょーぶ!」
ナルトが隣に座るハルカに何度聞いてもテンションが上がっているハルカは何度も同じ返事をする。
この誘拐事件、実はハルカとナルトの自作自演。
サスケの気を引きたいハルカがナルトを巻き込んだのだ。
ハルカがクレヨンで手紙を書き、ナルトがこっそりサスケの家のドアに手紙を挟むという恋の共犯作業。
恋をしたら一直線のサクラの血をちゃんと引き継いでいるハルカに、ずっと側で見てきたナルトは複雑な気持ちだった。
しかし、あのサスケが素直にここに来るのだろうか。
ナルトが手紙を持っていって30分が経っている。
健気なハルカはずっと待ち続けるだろうが、ちゃんと家に送り届けないとあの鬼に殺されてしまう・・・。
ナルトはその恐ろしさに身震いをした時、
2人のいる部屋のドアが雷のような音と共に勢いよく吹き飛んだ。
ナルトはハルカを抱えて後ろに飛び、部屋に充満する土煙に咳き込みながら出入り口に立つ人影に目を凝らすと、
そこには鬼の形相の顔をしたカカシが立っていた。
「か、かかかかカカシ、先生・・・!!」
「ナルトぉ・・・お前かぁ・・・」
出会って初めて向けられる元暗部の本気の殺意にナルトは涙目になっていると、
「パパじゃない!!」
「「えっ!!」」
ナルトの前でカカシを睨むように仁王立ちをするハルカに2人は素っ頓狂な声を出す。
「は、ハルカ・・・?」
「パパはかえって!!」
「そ、そんなぁ・・・」
今度はカカシが涙目になっている。
その後ろからサスケが顔を出し、顰めっ面だったハルカは顔を綻ばせてカカシを無視してサスケの足に飛びつく。
「サスケくん!わるいまじょからたすけてくれたのね!」
「いや、オレは何もしていない・・・」
そんなことは関係ないと嬉しそうにサスケに擦り寄るハルカ。
ようやくハルカのおままごとが終わったと安心しているナルトの肩を後ろから骨が軋む音がするほど掴まれる。
恐る恐る振り返ると、怖いほどカカシが笑っていた。
「そうか・・・お前が悪い魔女か・・・」
「ち、ちが・・・!これはハルカちゃんが!!」
「問答無用!!」
紫電の音とナルトの叫びが響き渡った。
****
「ただいまー!」
「ただーいま・・・」
「おかえりなさい」
満面の笑みのハルカと疲れ切った顔のカカシが一緒に帰ってきてサクラが出迎える。
「楽しかった?」
「うん!」
ハルカは元気に頷いて洗面所に向かう。
サクラは玄関に座るカカシの横にしゃがむ。
「お疲れ様」
「はー・・・何でサクラは最初から分かってたわけ?」
「だって明らかにハルカの字だったし。それに最近、悪い魔女からお姫様を助ける王子様の絵本にハマってたから、あの子」
「それ言ってよ・・・」
「まだまだね、カカシ先生?」
肩を落とすカカシにサクラはおかしそうに笑った。