ファミリー(長編)
「まだぁ〜?」
「もうちょっと待って・・・はい、出来た」
サクラがハルカの肩を叩くと、ハルカはその場でクルクル回る。
その度にピンク色の浴衣の袖とフラフラの帯も揺れる。
「どう?かわいい?」
「うん、すごい可愛い!」
サクラはハルカの髪型もセットしながら褒める。
「出来たー?」
締め切った部屋の外からカカシの呼ぶ声が聞こえ、ハルカが思い切り開ける。
「パパ、どう?」
「お、可愛い!お姫様みたいだ」
カカシはいつものようにハルカに抱きしよううとして踏みとどまる。
ここで着崩しでもしたら2人に怒られる。
「どう・・・?」
ハルカの後からサクラが恥ずかしそうに出てくる。
ハルカと同じようにピンク色の浴衣なのだが、大人っぽく落ち着いた雰囲気がある。
そして2人とも桜模様の浴衣だ。
「うん・・・すごく似合ってる。可愛いよ」
カカシは目を細めて微笑む。
カカシも深緑のストライプが入った浴衣を着ている。
いつもと違うカカシに、恥ずかしさに顔を逸らすとカカシがサクラの耳元に顔を寄せる。
「今すぐ脱がしたいほど似合ってる」
サクラが囁かれた耳を押さえて顔を真っ赤にすると、カカシはニコニコ笑う。
サクラはハルカから見えないようにカカシのお腹を殴った。
****
「すっごいひと!」
今日は木ノ葉で一番大きな夏祭り。
里中から人が集まっていて、少しでも油断したらすぐに逸れてしまう。
「サクラ、絶対手離すなよ」
「う、うん・・・」
カカシはハルカを抱っこし、サクラはカカシの腕にしがみ付く。
それから前の人に付いて歩き、気になった屋台あれば人波をぬって目的の場所に出るを繰り返す。
それから適当に屋台でご飯を見繕い、座れそうな場所を見つけて一息つく。
「はぁー・・・疲れた・・・」
カカシは両手を後ろについて、上を向いて息を吐く。
カカシは人波を掻き分けハルカと荷物を両腕に抱え、サクラが逸れないかずっと気を張っていたのだ。
「パパ、お疲れ様」
サクラは屋台で買ったビールをカカシに渡す。
「ありがとう・・・あー・・・美味しい・・・」
キンキンに冷えたビールが喉を通って潤す。
サクラは美味しそうにビールを飲むカカシに微笑み、買ってきたたこ焼きを食べる。
「ママ、なにそれ?」
「ん?たこ焼きよ。食べてみる?」
「うん!」
わたあめを食べていたハルカはサクラの食べるものに興味津々のようだった。
サクラは1つ割り箸で持って息を吹きかけて冷まし、ハルカの口に運ぶ。
出汁が効いた生地の中にブヨブヨとした物が入っていて驚いた顔をしていたが、慣れたら美味しかったらしくまた口を開く。
何個か食べさせていると、後ろから肩を叩かれ、振り返ればカカシもニコニコと口を開けて待っていた。
サクラは呆れたようにため息を吐いて、熱々のたこ焼きをカカシの口の中に突っ込む。
カカシが地面に転がり悶えているのを2人は楽しんで見ていた。
****
それから少し人が減った屋台を覗いてヨーヨー釣りをしたり射的をしたりと楽しんだ。
夏祭り会場を出て、カカシとサクラは人がまばらの道を歩く。
ハルカははしゃぎ過ぎてカカシの背中で爆睡していた。
「先生疲れたでしょ?変わろうか?」
「大丈夫、大丈夫。これでも演習帰りに動けなくなった3人を抱えて運んだんだよ?」
「あれは先生が無理難題な演習させたからでしょ・・・。それにあの時よりおじさんになったんだから気をつけないと腰やるわよ」
「ひどいなぁ。これでも若いつもりなのに」
カカシは悲しそうにため息を吐く。
確かにもう30半ばなのにカカシは出会ったころと何も変わらない。
何もしてないと言うのだから羨ましい限りだ。
背中で気持ちよさそうに眠るハルカを見ていると自分も眠気に襲われて欠伸をする。
気づいたカカシが片手でハルカを
抱えて、サクラの手を握る。
「手握っててやるから」
「大丈夫よ。いつまでも子供扱いして」
下忍時代、ウトウトしながら歩いているとよくカカシが手を握って転ばないように歩いてくれたことを思い出す。
母親になってもカカシはサクラを子供扱いする。
頬を膨らませて睨むとカカシは苦笑する。
「してないよ」
「嘘」
「本当。誰よりも大事な人扱いはしてる」
さらっと恥ずかしいことをいつも言うから困る。
カカシは前を歩いているから見えてないだろうけど、絶対顔が赤いのはバレてるだろう。
「・・・誰よりも大事?」
「大事。手を繋がないで転ばれたら絶対後悔するし、祭りのときも男がサクラに話しかけてこないかってずっと気張ってたし」
「そんな人いないわよ。私もう若くないんだし」
「関係ないよ。サクラはいくつになっても可愛くて綺麗で誰よりも素敵だ」
この人は一体どれだけ惚れさせれば気が済むのか。
私も仕返したいけど絶対何倍にもなって返ってくるから諦める。
この時ほどハルカが寝ててくれて助かった。
「じゃあ私とハルカ、どっちが大事?」
「どっちも。世界で一番2人が大事だよ」
カカシ目を細めて優しく微笑みかけてくれて、その顔を見るだけで世界一幸せになれる。
サクラは手を離してカカシの腕にしがみ付く。
「私も2人が世界一大事で大好きよ」
サクラは微笑みながら顔を上げ、カカシはサクラに愛を込めてキスをした。
「もうちょっと待って・・・はい、出来た」
サクラがハルカの肩を叩くと、ハルカはその場でクルクル回る。
その度にピンク色の浴衣の袖とフラフラの帯も揺れる。
「どう?かわいい?」
「うん、すごい可愛い!」
サクラはハルカの髪型もセットしながら褒める。
「出来たー?」
締め切った部屋の外からカカシの呼ぶ声が聞こえ、ハルカが思い切り開ける。
「パパ、どう?」
「お、可愛い!お姫様みたいだ」
カカシはいつものようにハルカに抱きしよううとして踏みとどまる。
ここで着崩しでもしたら2人に怒られる。
「どう・・・?」
ハルカの後からサクラが恥ずかしそうに出てくる。
ハルカと同じようにピンク色の浴衣なのだが、大人っぽく落ち着いた雰囲気がある。
そして2人とも桜模様の浴衣だ。
「うん・・・すごく似合ってる。可愛いよ」
カカシは目を細めて微笑む。
カカシも深緑のストライプが入った浴衣を着ている。
いつもと違うカカシに、恥ずかしさに顔を逸らすとカカシがサクラの耳元に顔を寄せる。
「今すぐ脱がしたいほど似合ってる」
サクラが囁かれた耳を押さえて顔を真っ赤にすると、カカシはニコニコ笑う。
サクラはハルカから見えないようにカカシのお腹を殴った。
****
「すっごいひと!」
今日は木ノ葉で一番大きな夏祭り。
里中から人が集まっていて、少しでも油断したらすぐに逸れてしまう。
「サクラ、絶対手離すなよ」
「う、うん・・・」
カカシはハルカを抱っこし、サクラはカカシの腕にしがみ付く。
それから前の人に付いて歩き、気になった屋台あれば人波をぬって目的の場所に出るを繰り返す。
それから適当に屋台でご飯を見繕い、座れそうな場所を見つけて一息つく。
「はぁー・・・疲れた・・・」
カカシは両手を後ろについて、上を向いて息を吐く。
カカシは人波を掻き分けハルカと荷物を両腕に抱え、サクラが逸れないかずっと気を張っていたのだ。
「パパ、お疲れ様」
サクラは屋台で買ったビールをカカシに渡す。
「ありがとう・・・あー・・・美味しい・・・」
キンキンに冷えたビールが喉を通って潤す。
サクラは美味しそうにビールを飲むカカシに微笑み、買ってきたたこ焼きを食べる。
「ママ、なにそれ?」
「ん?たこ焼きよ。食べてみる?」
「うん!」
わたあめを食べていたハルカはサクラの食べるものに興味津々のようだった。
サクラは1つ割り箸で持って息を吹きかけて冷まし、ハルカの口に運ぶ。
出汁が効いた生地の中にブヨブヨとした物が入っていて驚いた顔をしていたが、慣れたら美味しかったらしくまた口を開く。
何個か食べさせていると、後ろから肩を叩かれ、振り返ればカカシもニコニコと口を開けて待っていた。
サクラは呆れたようにため息を吐いて、熱々のたこ焼きをカカシの口の中に突っ込む。
カカシが地面に転がり悶えているのを2人は楽しんで見ていた。
****
それから少し人が減った屋台を覗いてヨーヨー釣りをしたり射的をしたりと楽しんだ。
夏祭り会場を出て、カカシとサクラは人がまばらの道を歩く。
ハルカははしゃぎ過ぎてカカシの背中で爆睡していた。
「先生疲れたでしょ?変わろうか?」
「大丈夫、大丈夫。これでも演習帰りに動けなくなった3人を抱えて運んだんだよ?」
「あれは先生が無理難題な演習させたからでしょ・・・。それにあの時よりおじさんになったんだから気をつけないと腰やるわよ」
「ひどいなぁ。これでも若いつもりなのに」
カカシは悲しそうにため息を吐く。
確かにもう30半ばなのにカカシは出会ったころと何も変わらない。
何もしてないと言うのだから羨ましい限りだ。
背中で気持ちよさそうに眠るハルカを見ていると自分も眠気に襲われて欠伸をする。
気づいたカカシが片手でハルカを
抱えて、サクラの手を握る。
「手握っててやるから」
「大丈夫よ。いつまでも子供扱いして」
下忍時代、ウトウトしながら歩いているとよくカカシが手を握って転ばないように歩いてくれたことを思い出す。
母親になってもカカシはサクラを子供扱いする。
頬を膨らませて睨むとカカシは苦笑する。
「してないよ」
「嘘」
「本当。誰よりも大事な人扱いはしてる」
さらっと恥ずかしいことをいつも言うから困る。
カカシは前を歩いているから見えてないだろうけど、絶対顔が赤いのはバレてるだろう。
「・・・誰よりも大事?」
「大事。手を繋がないで転ばれたら絶対後悔するし、祭りのときも男がサクラに話しかけてこないかってずっと気張ってたし」
「そんな人いないわよ。私もう若くないんだし」
「関係ないよ。サクラはいくつになっても可愛くて綺麗で誰よりも素敵だ」
この人は一体どれだけ惚れさせれば気が済むのか。
私も仕返したいけど絶対何倍にもなって返ってくるから諦める。
この時ほどハルカが寝ててくれて助かった。
「じゃあ私とハルカ、どっちが大事?」
「どっちも。世界で一番2人が大事だよ」
カカシ目を細めて優しく微笑みかけてくれて、その顔を見るだけで世界一幸せになれる。
サクラは手を離してカカシの腕にしがみ付く。
「私も2人が世界一大事で大好きよ」
サクラは微笑みながら顔を上げ、カカシはサクラに愛を込めてキスをした。