第二章
テネアスは部屋を出るなり、手近な窓から外に飛び出し一目散に駆け出した。どっちに行けば元いた土地に帰れるのかは分からなかったが、とにかくあの怪しげな研究所からおさらばしたかったのだ。
研究所は人気のないところに建てられていたようで、周囲は野原が、遠くには山が広がるばかり。程なくして研究所が見えないところまでは離れられたものの、どこを目指せばいいのかわからないテネアスは困りながら草原を歩んでいた。
「見つけた」
唐突に、テネアスの耳に声が聞こえてきた。
あの人間が追いかけてきたのか! と、身構えて周囲を見渡したが、特に人影は見当たらない。身を隠すところもない草原なのにおかしいなとキョロキョロしていると、再度先程と同じ声が聞こえてくる。
「あなたがストーク博士のお気に入りの闘技場さんなのね」
声は上からだ! 反射的に上を見上げると、空からテネアスの目の前にカラスほどの大きさの赤い鳥が一羽降り立った。
研究所は人気のないところに建てられていたようで、周囲は野原が、遠くには山が広がるばかり。程なくして研究所が見えないところまでは離れられたものの、どこを目指せばいいのかわからないテネアスは困りながら草原を歩んでいた。
「見つけた」
唐突に、テネアスの耳に声が聞こえてきた。
あの人間が追いかけてきたのか! と、身構えて周囲を見渡したが、特に人影は見当たらない。身を隠すところもない草原なのにおかしいなとキョロキョロしていると、再度先程と同じ声が聞こえてくる。
「あなたがストーク博士のお気に入りの闘技場さんなのね」
声は上からだ! 反射的に上を見上げると、空からテネアスの目の前にカラスほどの大きさの赤い鳥が一羽降り立った。