戦闘を終え、子供の姿に戻ったテネアスのもとに一羽の赤い鳥が降り立つ。

「セレネ！」
「テネアス！　ケガはない！？」

　テネアスの目の前に着地したセレネは、心配そうにテネアスの顔を覗き込んでいる。
　移動からの戦闘で体力の尽きたテネアスは、座り込みながらも「大丈夫」と答えた。

「もしかしてあの落石はセレネが？」
「うん、テネアスが戦っているのが見えたから……うまく当てられてよかった」
「助かったよ、ありがとう」
「あれは博士のところのロッシャよね……どうやら近くの町に生体化した施設たちを配置してテネアスを探してたみたいね」
「あの人逃げてくときに博士に伝えるって言ってたけど……」
「とするとこの町には長居できそうもないわね……」

　結局、準備もそこそこにこの町もあとにすることとなった。
　流石に疲労の多いテネアスを走らせるわけにも行かず、かと言って小さな子供ではヒッチハイクもできないので、二人は大きなトラックの荷台に忍び込むのであった。