第四章
テネアスはロッシャの手が触れた下腹部にエネルギーが溜まっていることを感じ取っていた。
前日にセレネが放った爆撃と同様、自身に大ダメージを与え得る強大なエネルギーだ。エネルギー弾を投げてきたセレネと違い、体に直接仕掛けられたとなってはもはや防ぐ手立てはないだろう。
テネアスは剣と盾を構えていた両手を力なくだらりと下げた。
「大人しく諦めるか、賢明な判断だ」
ロッシャは左手を前に突き出したままゆっくりとテネアスの方へ歩を進める。
起爆される前に倒してしまえばいいのだろうが鉄壁を誇るロッシャには隙がない。せめて少しでも隙があれば……巡らせる思考もむなしく、テネアスはどうにもできずに立ち尽くしていた。その時である。
「ぐっ……」
ロッシャの前に突き出していた手が、鈍い衝撃音とともに急激に下を向いた。次いで、ロッシャの足元に何かが転がり落ちる。野球ボールよりも少し大きいくらいのサイズの石だ。
突然の落石が手に命中したことにロッシャが気付き、岩場での戦いを選んだことにほんの僅かな後悔を抱いたその瞬間には、テネアスの刃がロッシャの胸部を捉えていた。
前日にセレネが放った爆撃と同様、自身に大ダメージを与え得る強大なエネルギーだ。エネルギー弾を投げてきたセレネと違い、体に直接仕掛けられたとなってはもはや防ぐ手立てはないだろう。
テネアスは剣と盾を構えていた両手を力なくだらりと下げた。
「大人しく諦めるか、賢明な判断だ」
ロッシャは左手を前に突き出したままゆっくりとテネアスの方へ歩を進める。
起爆される前に倒してしまえばいいのだろうが鉄壁を誇るロッシャには隙がない。せめて少しでも隙があれば……巡らせる思考もむなしく、テネアスはどうにもできずに立ち尽くしていた。その時である。
「ぐっ……」
ロッシャの前に突き出していた手が、鈍い衝撃音とともに急激に下を向いた。次いで、ロッシャの足元に何かが転がり落ちる。野球ボールよりも少し大きいくらいのサイズの石だ。
突然の落石が手に命中したことにロッシャが気付き、岩場での戦いを選んだことにほんの僅かな後悔を抱いたその瞬間には、テネアスの刃がロッシャの胸部を捉えていた。