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第四章

 後退して距離をおき、頬の痛みに耐えながら構え直すテネアス。

「鉱山の魂を持つ俺は体から鉱物を作り出せる。お前の剣などなんの役にもたたんぞ」

 ロッシャはそう言うや、脇腹の岩を解除して再びテネアスに突撃する。
 テネアスは先程と同じようにツルハシの一撃を盾で防ぎ、今度はロッシャの胸を剣の切っ先で突いたが、今度は胸に岩石が出現して受け止められてしまった。
 それでもテネアスは攻撃の手を緩めず、腕、脚、胴、頭と次々に剣を振るうが、全て的確に出現する岩石に防がれてしまう。
 一方、ロッシャのツルハシや拳による攻撃も、テネアスは巧みにかわしたり盾で防いでおり、お互いに有効なダメージが与えられない状況が続いていた。しかし――

「長引きそうだと思ったが、そうでもないようだな?」

 攻防のさなか、ロッシャが口を開いた。テネアスが明らかに肩で息をし始めたのを見ての発言だ。
 半日ほど走り続けたばかりのテネアスには、もうロッシャの攻撃を防ぎ続けられるだけの体力は残っていなかった。
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