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第三章

 結局別の屋台でサンドイッチを買った二人は、食べながら屋台の中に置かれたテレビに釘付けになっていた。

「――というわけで、テネアス円形闘技場が一晩のうちに忽然と姿を消した原因はいまだ判明しておりません。深夜に付近を見慣れない飛行艇が飛んでいたという目撃情報から、近隣では宇宙人の仕業であるという声も上がっており――」

 テレビに今まで自分がいた土地が更地になっている様子や、不安や悲しみを口にする人々のインタビュー映像が映し出され、テネアスは改めて早く帰らなければと強く思うのであった。

「さてと、お腹いっぱいになったし寝るところを探さないといけないんだけど……」

 ニュースが終わったところでセレネが口を開いた。が、どうも歯切れが悪い。

「どうしたの?」
「私がまだ人間に変身できるほど回復してないからテネアスがホテルで受付しなくちゃいけないんだけど、子供一人だと部屋を借りるの難しいかなーと思って……」

 セレネは翼を腕のように組んで考え込んでしまった。
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