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第二章

 銃撃でボロボロになっていたタキシードが光とともに裂け散り、ひらひらとした白い布地の衣装をまとった姿に変わる。右手には短めの剣が、左手には円形の盾が握られている。まるで古代に自分の中で戦っていた剣闘士だ。依然として大人よりは低いが身長も少し伸びており、全身に力がみなぎっているのを感じる。

 セレネはその変化を目の当たりにするも、今さら止まることもできずそのまま突撃。スピードを乗せ、テネアスめがけて正確に光球を投下した。

(直撃よ!)

 光球は猛スピードでテネアスに着弾。が――

(!?)

 一瞬巻き上がった爆炎が消えたあとに見えたのは、盾を構えて無事にその場に立つテネアスの姿であった。
 確実に仕留められる威力を込めた攻撃を無傷で防がれた、その事実に動揺してセレネは次の行動への判断が一瞬遅れる。上空への方向転換を図ろうと力を込めたその時には、跳び上がったテネアスの剣が自身の左の翼を切り落としていた。
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