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第二章

 光球から感じられる強いエネルギーに、テネアスの全身に緊張が走る。先程までの小さな弾とは違って直撃すればただでは済まないことを本能的に感じ取っているのだ。

「これは爆弾よ。あなたの頑丈さなら多分死なないと思うから……許してね」

 セレネはそう語りかけるや、テネアスめがけて急降下し始めた。スピードを乗せ、避けられないところで爆弾を投下し直撃させる算段だ。
 光球を携えて急激に迫りくるセレネの姿に、テネアスの脳内は危機感に支配されていた。

(速い! 避ける……軌道をすぐにこちらに合わせてくる! 防御……耐えられるようなエネルギーじゃない! やられる……!)

 脳内に流れる時間が非常に濃密になり、対応策が駆け巡っては消えていく。自分が倒れるという結論が生み出されると、今度は更に脳内に濃密な時が流れ、自分を訪れて喜んでくれた人々の顔や声が次々に浮かび上がる。

(嫌だ……!)

 みんなのために帰る。その誓いが儚く消える運命への拒絶を抱いたその時、テネアスの全身に光とともに変化が訪れた。
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