第一章
ここ、テネアス円形闘技場は、古代の帝国時代から続く由緒ある施設である。古くは多くの闘士が激闘を繰り広げてきたが、現代では世界遺産の一つに数えられ、連日多くの観光客で賑わっている。
歴史にロマンを感じる若者が、いにしえの闘士の魂に思いを馳せる老人が、単に観光地での団欒を楽しむ家族が、次々に訪れては満足そうな顔で去っていくのを、このテネアス円形闘技場に宿った心は人知れず喜ばしく思っていた。
今日もまた、テネアスには多くの観光客が訪れていた。しかし陽が傾けば次第にその賑わいも薄れていく。閉場の時間になっても外観がライトアップされるなどして周囲にはまだ人が残るが、それも終わった深夜には辺りは静寂に包まれる。
明日になれば、またたくさんの人で賑わうのだろう。新しい一日への期待を胸に、テネアスはその心を休ませることにした。
歴史にロマンを感じる若者が、いにしえの闘士の魂に思いを馳せる老人が、単に観光地での団欒を楽しむ家族が、次々に訪れては満足そうな顔で去っていくのを、このテネアス円形闘技場に宿った心は人知れず喜ばしく思っていた。
今日もまた、テネアスには多くの観光客が訪れていた。しかし陽が傾けば次第にその賑わいも薄れていく。閉場の時間になっても外観がライトアップされるなどして周囲にはまだ人が残るが、それも終わった深夜には辺りは静寂に包まれる。
明日になれば、またたくさんの人で賑わうのだろう。新しい一日への期待を胸に、テネアスはその心を休ませることにした。