エピローグ
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「ありがとうございましたー」
「おう、元気な子供産めよ」
「ふふ、ありがとうございます。」
「じゃあな、また来年来るよ」
「お待ちしております!」
私は笑顔でお客さんを見送る。
相変わらずの町はずれの団子屋は旅人がこうやって訪れる。一期一会のこの感じはやっぱり好きだなぁ。
あの町もこの町も、素敵な人ばかりだ。
「いいお客さんだったね」
「三郎さん!
見てたんですか?」
「はは、ちょっとだけね」
私が干渉に浸っていると店の影から突然三郎さんが現れた。三郎さんは忍びだって私が知るようになってこういう少しびっくりするようなことをよくするようになった。もともと結構いたずら好きな性格みたいで、前よりも素が出ている気がしてなんだか嬉しい。
三郎さんの微笑んだ顔。
私が、私たちが夢見た穏やかな日々。毎日が本当に幸せで胸が温かい。
「三郎さんは今日はお仕事は終わったんですか?」
「ん?あぁ、ばっちりね。
雷蔵も来てるよ」
「こんにちは、なまえちゃん」
三郎さんがそう言って店の影を指差すと今度はひょっこりと雷蔵さんが顔を出した。
雷蔵さんも珍しくしてやったりな笑顔だ。
「わぁ!雷蔵さん、一か月ぶりですね!」
「ちょっと長めの仕事が入ってね
実は三郎にもこっちで動いてもらってたんだけど」
そう、実は三郎さんはあの後無事に後遺症もなく健康で、今は雷蔵さんと二人でプロの忍者として働いている。
そうにん?とか言われてうまくいっているみたい。
「そうだったんですね」
「ふふ、新婚さんを長い時間引き離せないからね」
いたずらっぽい顔をしてそんなことを言うもんだから、私は思わず赤面する。
もう一緒になって一年近くなるのに未だにこういうのは気恥ずかしい。
「もう、からかわないでください///」
雷蔵さんとはその後会う回数ももちろん増えて、こうしてうちの新しい団子屋にもちょくちょく顔を出してくれる。
というか、この店も雷蔵さんの計らいで始められた。雷蔵さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。
「それにしても、ずいぶんお腹大きくなったね!」
雷蔵さんが私のお腹を見て驚く。たしかに、この一ヶ月でずいぶん大きくなったからなぁ。
「もう蹴ったりするんだぜ」
「ほんと!すごいなぁ」
三郎さんが嬉しそうに言うもんだからなんだかなんだか可愛らしい。
それに雷蔵さんも素直に返す。こういうやり取りがさり気なくて、本当に仲がいいんだなぁとわかる。
「ふふ」
私は大きくなった自分のお腹をさする。
この中に今、私と三郎さんの子供がいるなんて本当に不思議だ。
「あれ!雷蔵さん来てるじゃん!」
そう言って弟が店から飛び出してくる。中から話し声が聞こえたみたい。
あのとき以来弟はすっかり雷蔵さんになついていて、雷蔵さんが来るとこうやって尻尾を振って喜ぶ。
「久しぶりだね!」
「本当っすよ~」
そうはしゃぐ弟を尻目に店の中にいる父と母がほほ笑む。
あぁ、幸せだなぁ。
この幸せはみんなで掴んだ幸せだ。
環境を用意してくれた雷蔵さん、ここまで送り届けてくれた竹谷さん、情報をくれた尾浜さんと久々知さん、何から何まで助けてくれた和尚さん、私に着いて来てくれた家族。
そして何よりも、私の手を握って導いてくれた三郎さん。
不意に三郎さんが私の肩を抱き寄せる。
見つめあう私たちが思っていることはきっと一緒で、私は自分お腹をまた撫でた。
安心して生まれておいで、幸せで温かいこの場所へ。
終
「おう、元気な子供産めよ」
「ふふ、ありがとうございます。」
「じゃあな、また来年来るよ」
「お待ちしております!」
私は笑顔でお客さんを見送る。
相変わらずの町はずれの団子屋は旅人がこうやって訪れる。一期一会のこの感じはやっぱり好きだなぁ。
あの町もこの町も、素敵な人ばかりだ。
「いいお客さんだったね」
「三郎さん!
見てたんですか?」
「はは、ちょっとだけね」
私が干渉に浸っていると店の影から突然三郎さんが現れた。三郎さんは忍びだって私が知るようになってこういう少しびっくりするようなことをよくするようになった。もともと結構いたずら好きな性格みたいで、前よりも素が出ている気がしてなんだか嬉しい。
三郎さんの微笑んだ顔。
私が、私たちが夢見た穏やかな日々。毎日が本当に幸せで胸が温かい。
「三郎さんは今日はお仕事は終わったんですか?」
「ん?あぁ、ばっちりね。
雷蔵も来てるよ」
「こんにちは、なまえちゃん」
三郎さんがそう言って店の影を指差すと今度はひょっこりと雷蔵さんが顔を出した。
雷蔵さんも珍しくしてやったりな笑顔だ。
「わぁ!雷蔵さん、一か月ぶりですね!」
「ちょっと長めの仕事が入ってね
実は三郎にもこっちで動いてもらってたんだけど」
そう、実は三郎さんはあの後無事に後遺症もなく健康で、今は雷蔵さんと二人でプロの忍者として働いている。
そうにん?とか言われてうまくいっているみたい。
「そうだったんですね」
「ふふ、新婚さんを長い時間引き離せないからね」
いたずらっぽい顔をしてそんなことを言うもんだから、私は思わず赤面する。
もう一緒になって一年近くなるのに未だにこういうのは気恥ずかしい。
「もう、からかわないでください///」
雷蔵さんとはその後会う回数ももちろん増えて、こうしてうちの新しい団子屋にもちょくちょく顔を出してくれる。
というか、この店も雷蔵さんの計らいで始められた。雷蔵さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。
「それにしても、ずいぶんお腹大きくなったね!」
雷蔵さんが私のお腹を見て驚く。たしかに、この一ヶ月でずいぶん大きくなったからなぁ。
「もう蹴ったりするんだぜ」
「ほんと!すごいなぁ」
三郎さんが嬉しそうに言うもんだからなんだかなんだか可愛らしい。
それに雷蔵さんも素直に返す。こういうやり取りがさり気なくて、本当に仲がいいんだなぁとわかる。
「ふふ」
私は大きくなった自分のお腹をさする。
この中に今、私と三郎さんの子供がいるなんて本当に不思議だ。
「あれ!雷蔵さん来てるじゃん!」
そう言って弟が店から飛び出してくる。中から話し声が聞こえたみたい。
あのとき以来弟はすっかり雷蔵さんになついていて、雷蔵さんが来るとこうやって尻尾を振って喜ぶ。
「久しぶりだね!」
「本当っすよ~」
そうはしゃぐ弟を尻目に店の中にいる父と母がほほ笑む。
あぁ、幸せだなぁ。
この幸せはみんなで掴んだ幸せだ。
環境を用意してくれた雷蔵さん、ここまで送り届けてくれた竹谷さん、情報をくれた尾浜さんと久々知さん、何から何まで助けてくれた和尚さん、私に着いて来てくれた家族。
そして何よりも、私の手を握って導いてくれた三郎さん。
不意に三郎さんが私の肩を抱き寄せる。
見つめあう私たちが思っていることはきっと一緒で、私は自分お腹をまた撫でた。
安心して生まれておいで、幸せで温かいこの場所へ。
終