第十四話
夢小説設定
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ここからお寺はすぐだけれど、お寺までは100段近い階段がある。そこを三郎さんを抱えて登れるだろうか。
普段の私なら到底無理だろう。でも、やるしかない。
私は三郎さんを抱えてお寺の階段までたどり着いて一度深呼吸をした。大丈夫、大丈夫だ。
「三郎さん、あと少しですから…」
階段に足を上げる。
自分だけじゃなく、大人の男の人の体重に足がきしむ。なれない山道を二日間歩き通しだったんだから当たり前だ。
足の裏はマメができてつぶれて血がにじんでいる。肩や腕だって潰れそうだ。
それでも、そんなことは気にならなかった。私の何倍も三郎さんは辛いんだ。私がくじけてどうするんだ。
なるべく三郎さんに負担がないように一段一段慎重に上る。額から汗ふき出るが構わない。
階段が残りわずかになると、疲れもどっと出た。
お願い、あと数段、あと数段だけ頑張れ、私の足。
最後の一段を上ると、そこにはいつも通りのお寺があった。
ここしかなかったからここに連れてきたが、ここがだめになっている可能性も十分にあった。その安心感に少し胸をなでおろした。
人の気配を察したのか中から和尚さんが出てきた。
「なまえ!
その人は、」
和尚さんが驚いた声を上げる。
三郎さんは変わらず、浅い呼吸を繰り返していた。意識はうっすらとあるようだった。
「…私の大切な人なんです、助けてください、お願いします。」
私がそういうと和尚さんが、中へと入れてくれた。
三郎さんを横たわらせる。幸いなことに血はだいぶ止まっているようだった。
「これは、火縄銃出できた傷じゃな…戦か…
とにかく手当をしよう。
なまえは隣の部屋で休んでいなさい。」
和尚さんに言われて私は頷く。
そばにいたいのは山々だけど、きっと三郎さんは見てほしくないだろうから。
隣の部屋に入ると止まっていた涙がまたこみ上げてきた。
…私はなんて無力なんだろう。三郎を助けるだけの知識もなく、力もない。
三郎さんがいなくなってしまったら…
そう思うだけで体の震えを止められなかった…。
そんなこと考えちゃだめだ。
だめだとわかっているのに不安が私の心を襲う。
お願いします、お願いします…三郎さんを助けてください。
私は誰ともなく、そう祈り続けた。
ガラガラ
少しして、不意に戸が開いた。
そこには和尚さんが一人立っていた。
「…三郎さんは?」
「できるだけのことはやった。
一命は取り留めたが体が今まで通り動くかはわからん。 」
「…よかった。」
私の瞳から涙が零れ落ちる。
命さえあればいい。いくらでも私が彼の腕となり、足となるから。
よかった。よかった…。
「ありがとうございます、ありがとうございます…。」
私は何回もそういった。
「お前がはやく見つけて止血していてよかったよ、がんばったなあ。
さあ、こちらにお入り。
きっとそばにお前がいたほうが彼にとってもいいはずじゃ。」
普段の私なら到底無理だろう。でも、やるしかない。
私は三郎さんを抱えてお寺の階段までたどり着いて一度深呼吸をした。大丈夫、大丈夫だ。
「三郎さん、あと少しですから…」
階段に足を上げる。
自分だけじゃなく、大人の男の人の体重に足がきしむ。なれない山道を二日間歩き通しだったんだから当たり前だ。
足の裏はマメができてつぶれて血がにじんでいる。肩や腕だって潰れそうだ。
それでも、そんなことは気にならなかった。私の何倍も三郎さんは辛いんだ。私がくじけてどうするんだ。
なるべく三郎さんに負担がないように一段一段慎重に上る。額から汗ふき出るが構わない。
階段が残りわずかになると、疲れもどっと出た。
お願い、あと数段、あと数段だけ頑張れ、私の足。
最後の一段を上ると、そこにはいつも通りのお寺があった。
ここしかなかったからここに連れてきたが、ここがだめになっている可能性も十分にあった。その安心感に少し胸をなでおろした。
人の気配を察したのか中から和尚さんが出てきた。
「なまえ!
その人は、」
和尚さんが驚いた声を上げる。
三郎さんは変わらず、浅い呼吸を繰り返していた。意識はうっすらとあるようだった。
「…私の大切な人なんです、助けてください、お願いします。」
私がそういうと和尚さんが、中へと入れてくれた。
三郎さんを横たわらせる。幸いなことに血はだいぶ止まっているようだった。
「これは、火縄銃出できた傷じゃな…戦か…
とにかく手当をしよう。
なまえは隣の部屋で休んでいなさい。」
和尚さんに言われて私は頷く。
そばにいたいのは山々だけど、きっと三郎さんは見てほしくないだろうから。
隣の部屋に入ると止まっていた涙がまたこみ上げてきた。
…私はなんて無力なんだろう。三郎を助けるだけの知識もなく、力もない。
三郎さんがいなくなってしまったら…
そう思うだけで体の震えを止められなかった…。
そんなこと考えちゃだめだ。
だめだとわかっているのに不安が私の心を襲う。
お願いします、お願いします…三郎さんを助けてください。
私は誰ともなく、そう祈り続けた。
ガラガラ
少しして、不意に戸が開いた。
そこには和尚さんが一人立っていた。
「…三郎さんは?」
「できるだけのことはやった。
一命は取り留めたが体が今まで通り動くかはわからん。 」
「…よかった。」
私の瞳から涙が零れ落ちる。
命さえあればいい。いくらでも私が彼の腕となり、足となるから。
よかった。よかった…。
「ありがとうございます、ありがとうございます…。」
私は何回もそういった。
「お前がはやく見つけて止血していてよかったよ、がんばったなあ。
さあ、こちらにお入り。
きっとそばにお前がいたほうが彼にとってもいいはずじゃ。」