第十三話
夢小説設定
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「しっ、ちょっと、待って。」
それは突然だった。
あれから明け方近くまで歩いて、少し野宿してまた歩き始めて少し経ったころだった。
「伏せて。」
不破さんにそう言われて私達家族は伏せて草の影に隠れる。
「あれはクロトヤマタケモドキの足軽たちだ。もうこんなところまで来てたのか。」
森の奥を眺めるとたしかにそこにはクロトヤマタケモドキの兵が列なってアイセンボタケ城を目指すのが見えた。
「あれが、クロトヤマタケモドキの…。」
なんだか悪い予感が胸をざわつかせた。
ドクンドクン…
脈が嫌に大きく響く。
「不破さん、ごめんなさい。
私、戻ります。」
それは足軽たちが去ってすぐだった。さぁ、進もうというように不破さんが進もうとして、私は思わずそう言って立ち上がった。
「なまえちゃん、何言って…」
「今戻らないと私きっと後悔します。」
どう口で説明したらいいのかわからないけど、とにかく今戻らないと一生三郎さんに会えない…そんな予感が止まらなかった。
正直、怖くないといえば嘘になる。
家族や不破さんを巻き込めない、私一人で行くしかない。
「なまえ、行きな。」
それは母さんだった。
「あんたの人生だ、後悔しないように自分で決めるんだ。
ただし、元気に帰ってくるんだ、三郎さんと。絶対に。いいね?」
「うん、うん。」
私の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちた。
もう二度と家族に会えないかもしれない。
その覚悟はある。それはきっと母さんも同じはずなのに母さんはそう言ってくれた。
三郎さんと幸せになる。
私は今、ずっと選ぶことができなかった家族と離れてでも三郎さんといるという選択をしたんだ。やっと。
「絶対に帰ってくる、そしたら沢山、沢山親孝行させてね。」
「もう十分あんたは良い娘だったよ。
愛する人と結ばれるこれ以上の親孝行はないよ、さぁ、いきな。」
そういう母の目にも涙が浮かんでいて、私は別れを惜しむように母を、父を、弟を、家族を抱きしめて、背を向けた。
幸せを目指して。
それは突然だった。
あれから明け方近くまで歩いて、少し野宿してまた歩き始めて少し経ったころだった。
「伏せて。」
不破さんにそう言われて私達家族は伏せて草の影に隠れる。
「あれはクロトヤマタケモドキの足軽たちだ。もうこんなところまで来てたのか。」
森の奥を眺めるとたしかにそこにはクロトヤマタケモドキの兵が列なってアイセンボタケ城を目指すのが見えた。
「あれが、クロトヤマタケモドキの…。」
なんだか悪い予感が胸をざわつかせた。
ドクンドクン…
脈が嫌に大きく響く。
「不破さん、ごめんなさい。
私、戻ります。」
それは足軽たちが去ってすぐだった。さぁ、進もうというように不破さんが進もうとして、私は思わずそう言って立ち上がった。
「なまえちゃん、何言って…」
「今戻らないと私きっと後悔します。」
どう口で説明したらいいのかわからないけど、とにかく今戻らないと一生三郎さんに会えない…そんな予感が止まらなかった。
正直、怖くないといえば嘘になる。
家族や不破さんを巻き込めない、私一人で行くしかない。
「なまえ、行きな。」
それは母さんだった。
「あんたの人生だ、後悔しないように自分で決めるんだ。
ただし、元気に帰ってくるんだ、三郎さんと。絶対に。いいね?」
「うん、うん。」
私の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちた。
もう二度と家族に会えないかもしれない。
その覚悟はある。それはきっと母さんも同じはずなのに母さんはそう言ってくれた。
三郎さんと幸せになる。
私は今、ずっと選ぶことができなかった家族と離れてでも三郎さんといるという選択をしたんだ。やっと。
「絶対に帰ってくる、そしたら沢山、沢山親孝行させてね。」
「もう十分あんたは良い娘だったよ。
愛する人と結ばれるこれ以上の親孝行はないよ、さぁ、いきな。」
そういう母の目にも涙が浮かんでいて、私は別れを惜しむように母を、父を、弟を、家族を抱きしめて、背を向けた。
幸せを目指して。