あの後、家についた私は家族にどう説明するかを考えて、少しの眠りについた。
今日は長い一日になるはずだから。

まず、どうやって説明したら家族が納得してくれるか。
どうかんがえても三郎さんが忍者であること、それもクロトヤマタケモドキ城に仕えていることは説明しないといけないだろう。
その話をしないとどうして知ってるんだっておかしな話にもなる。
あとは今晩三郎さんと同じ顔をした不破雷蔵という男の人が来ることも。

とにかく時間がない、私は朝一番に家族全員を呼び出した。

「少し話を聞いてもらえる？」

「なんだい、こんな朝早くに」

母さんはすこし不満げな顔をするが私があまりに真剣だからか、聞く姿勢に入ってくれた。
父ちゃんも弟も、なんだなんだと集まってくる。

「実は、約二日後には、ここでクロトヤマタケモドキ城とアイセンボンタケ城の戦がおこるの。」

「戦？あんたなに寝ぼけたこと言ってるんだい。」

「でも…」

私の話に母さんが信じられないという顔でそう言った。
私は反論しようとしたがそれは父の手によって制止された。

「待て、母さん。
なまえの話を聞こう。
俺も少し思うところがある。」

「…、ありがとう。
それでね、この話は実はお客さんの三郎さんに聞いたんだけど…」

「三郎さんって！
最近来てなかったじゃねーか！いつの間に！」

今度は今まで黙ってた弟が口を出す。