第十一話
夢小説設定
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「ここからは私の話なんだけど、少し聞いてくれる?」
三郎さんが確認するように私を見る。私は頷いた。どんな話をされるんだろう。
「私はね、忍びになってから今まで変化を恐れていたんだ。学び舎を出て、忍びとして生きている自分は変わらず飄々として大切なものを持たない人間でいたかった。だから学園を出てからは人と深入りせずにいた。
でも、なまえちゃんのおかげで変わる決心がついた。
この間といい、思えばいつもなまえちゃんにリードされっぱなしだね。」
そう話す三郎さんはなんだか凛としていて、彼の決断の強さを感じた。
この間、というのはあの小川での出来事のことかな。
「私のこの顔は本当は自分の顔じゃないんだ。」
「へ…?」
私は思わず素っ頓狂な声を上げる。言ってる意味がよく理解できなかった。
「私は変装が得意でね。この顔はさっき言った学生時代の旧友の不破雷蔵の顔なんだ。
本当の顔は誰にも見せたことはない、雷蔵や兵助、勘右衛門にも、もちろん仕えている城主にもね。 」
「本当の顔…」
誰にも見せたことがない素顔、どうして三郎さんは私にそんな話をするんだろう。
「なまえちゃん、君に私の素顔を見てほしい。それが今まで慕ってくれた君に私ができる唯一の誠意だと思うから。
見てはくれないだろうか?」
「どうして、私なんかに…」
長年のお友達にも、城主にさえも見せないその素顔をたかだか数ヶ月の付き合いの、しかも客と店員の関係の私に見せてくれるんだろうか。
そんなのわかりきっているのかもしれない。でも、その期待を切り捨てられるのがとてつもなく怖かった。
「愛しているんだ。」
三郎さんの口から望んでいた言葉が溢れる。目頭が熱くなり、涙がこぼれ落ちるのが自分でもわかる。
「三郎さん…」
「私はこの戦で今の城との縁を切る。
もう君を手放したりしないから、一緒に生きてはくれないだろうか?」
私の手を握る三郎さんの手は震えていて、その真剣さが伝わる。
「私で良ければ…一緒にいさせてください。」
そういうと三郎さんは強く私を抱きしめた。思えば、私は何度も三郎さんに抱擁されてきたけど、こんなに幸せな抱擁は初めてだった。
三郎さんが確認するように私を見る。私は頷いた。どんな話をされるんだろう。
「私はね、忍びになってから今まで変化を恐れていたんだ。学び舎を出て、忍びとして生きている自分は変わらず飄々として大切なものを持たない人間でいたかった。だから学園を出てからは人と深入りせずにいた。
でも、なまえちゃんのおかげで変わる決心がついた。
この間といい、思えばいつもなまえちゃんにリードされっぱなしだね。」
そう話す三郎さんはなんだか凛としていて、彼の決断の強さを感じた。
この間、というのはあの小川での出来事のことかな。
「私のこの顔は本当は自分の顔じゃないんだ。」
「へ…?」
私は思わず素っ頓狂な声を上げる。言ってる意味がよく理解できなかった。
「私は変装が得意でね。この顔はさっき言った学生時代の旧友の不破雷蔵の顔なんだ。
本当の顔は誰にも見せたことはない、雷蔵や兵助、勘右衛門にも、もちろん仕えている城主にもね。 」
「本当の顔…」
誰にも見せたことがない素顔、どうして三郎さんは私にそんな話をするんだろう。
「なまえちゃん、君に私の素顔を見てほしい。それが今まで慕ってくれた君に私ができる唯一の誠意だと思うから。
見てはくれないだろうか?」
「どうして、私なんかに…」
長年のお友達にも、城主にさえも見せないその素顔をたかだか数ヶ月の付き合いの、しかも客と店員の関係の私に見せてくれるんだろうか。
そんなのわかりきっているのかもしれない。でも、その期待を切り捨てられるのがとてつもなく怖かった。
「愛しているんだ。」
三郎さんの口から望んでいた言葉が溢れる。目頭が熱くなり、涙がこぼれ落ちるのが自分でもわかる。
「三郎さん…」
「私はこの戦で今の城との縁を切る。
もう君を手放したりしないから、一緒に生きてはくれないだろうか?」
私の手を握る三郎さんの手は震えていて、その真剣さが伝わる。
「私で良ければ…一緒にいさせてください。」
そういうと三郎さんは強く私を抱きしめた。思えば、私は何度も三郎さんに抱擁されてきたけど、こんなに幸せな抱擁は初めてだった。