第一話
夢小説設定
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こんにちは、なまえです。
あの茶色い髪の鼻が高いお兄さんは週に2回くらいのペースでその後来るようになった。
「いらっしゃいませ!
いつものでよろしいですか?」
彼は決まって団子を3本食べて帰っていくからなんとなく定番になっていた。
私がそういうと彼はにっと笑う。
「あぁ、よろしく。」
「かしこまりました!
今週2回目ですね!ありがとうございます〜」
私はニコニコと笑い声をかける。
今はお店も空いてるし、ちょっとくらいいいだろう。
「団子を3本ね〜」
私は奥にいる父さんに聞こえるようにいうと、父さんからはいよーと返事が聞こえる。
「今日は天気が良くていいですね」
すると珍しく彼の方から声をかけてくる。
「そうですね〜
梅雨が来るのが億劫になりますね」
「はは、たしかに
でも雨の中山道を抜けて、ここが見えたら嬉しいだろうね」
そう言って少し先の山を見つめる。
盆地にあるこの城下町は少し抜けるとすぐに山道になる。
この店はほかの町や村から旅の途中で来る人も多い。
「そう言ってもらえると働きがいがあります!」
私はにこりと笑う。
「そうだ、よかったら私が払うから座って一緒に食べようよ
こんないい日に一人で食べるなんてさみしい話だしね
君が嫌じゃなければだけど」
お客さんからそんな提案。
今はお店も空いてるし、お昼も落ち着いて、さっき弟も休憩を終わらせたところだからそろそろ私も休憩を取ろうとしてたところだ。
だからありがたい提案なのだけど…
「えっ!
そんな、悪いですっ」
「あー!姉ちゃん!人の好意は素直に受けっとた方がいいってこないだ話してたろ!!」
私は咄嗟に断ろうとしたが、8歳の弟が割って入ってくる。
「そ、それは…」
私は焦ってちらっと暖簾の奥の父を見た。
するとお父さんがコクリと頷いた。
「そ、それじゃあお言葉に甘えて、」
私はそう言って、お客さんの隣に座った。
お客さんはいえいえと笑っている。
「姉ちゃん!いまお客さんの分と合わせて持ってくるね!」
弟はそう言って店の中に引っ込んでいった。
「随分出来た弟さんだね。」
お客さんは感心したようにいう。
「ははっ、なんだか妙にマセてるんですよね。
私を見て育ったから反面教師でしっかりしてしまったのかも。」