第十話
夢小説設定
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私は頷いた。
もう、これ以上自分で抱えることはできなかった。
忍びとして、桂男としての自分、なまえちゃんを愛おしいと思う自分、変化を恐れる自分。すべて私なのになんだかチグハグで、私はなにも決められない。忍者の三病。本当に皮肉なほど今の私を表している。
「もう、関わらないと決めたはずなのに。
それが正しかったのか不安なんだ。」
「本当はどうしたいのか。
それは三郎の中にもうあるんじゃない?」
雷蔵は不思議だ。
雷蔵が言うことはなぜかするすると頭に入ってくる。
「私は彼女が幸せならそれでいいんだ。
その幸せに私はいなくていい。」
紛れもない本心だ。
そして、私が今彼女の幸せのためにできること。
「私は彼女を助けたい。」
「三郎、それが君の本心なんだね。」
そうか、私は彼女を助けたいのか。自然と口から出たその言葉を頭はあとから理解しようとする。
私はコクリと頷いた。
「じゃあ、自分がどうすべきか、わかるね?」
私がどうすべきか?
私にとって大切なのは、城主か彼女か。私のすべきことは彼女の幸せを守ることだ。
「あぁ、自分の気持ちに素直に。
作戦を考える。
協力してくれるか?」
私がそう言うと雷蔵は嬉しそうに微笑んだ。
前へ進むしかない。
彼女のために。
自分のために。