第八話
夢小説設定
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「三郎さん?」
目の前の三郎さんはなんだか浮かない表情で、私は初めて三郎さんの"こころ"を見た気がした。
「やぁ、なまえちゃん。
会えてよかったよ。」
そういう三郎さんの顔はなんだかかなしげだ。
「お店に来てくださったんですか?
すいません、父が風邪をひいちゃって…。」
突然だったから店に張り紙を出した。
店に行く以外に今日うちが休みなのを知る方法はない。
「違うんだ、なまえちゃん、君に会いたかったんだ。」
私はカーっと頬が熱くなるのを感じる。
それと同時に、不安がよぎる。
なんで三郎さんはこんなに寂しげなんだろう…。
「なまえちゃん、今日は君に"お別れ"をしに来たんだ。」
「え…」
言葉を失う。
"お別れ"
三郎さんは確かにそう言った。
「薄々、気付いていたかもしれないけど、私と君では生きる世界が違いすぎるんだ。」
三郎さんのつらそうな顔を見て実感する。
本当に二度と会えないお別れを彼はする気なんだと。
「君と出会えて本当によかった。
久しぶりに当たり前の日常を感じられたよ。
でも、ごめんね、なまえちゃん。
今日でお別れだ。
私は私の道を行くから、君はどうか幸せになってくれ。」
そう言って三郎さんは私に背中を向けた。
「いや!」
私はそう咄嗟に叫んで。
川なんて気にせずに真っ直ぐに三郎さんの背中に飛び込んだ。
こんな一方的にお別れなんて絶対に嫌だった。
「お別れなんて、言わないで下さい。」
腕にぎゅっと力が入る。
自分でも笑えるほど足が震える。
「私は、三郎さんのことが好きです。」