第七話
夢小説設定
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「鉢屋三郎がよくここに来るって本当ですか?」
「はい?」
それはあの外出から数日経った、昼下がりのことでした。
(鉢屋三郎って、三郎さんのことよね?)
「えーっと…」
男性の2人組で、1人は赤茶色い髪に丸い目の男の人で私に声をかけてきた。もう一人は長い黒髪に長いまつげの色の白い男の人。
「こら、勘右衛門。
困ってるじゃないか。」
色白の男の人が勘右衛門だと思われる男性に注意した。
「おほん、はじめまして、久々知兵助といいます。
三郎とは旧友でして。」
咳払いをしてそう告げた黒髪の男性は、久々知兵助さんというらしい。
「はは、ついね、つい。
はじめまして、僕は尾浜勘右衛門。」
つられるようにもう一人の尾浜勘右衛門さんも名を名乗る。
「は、はじめまして。なまえと申します。」
私は慌てて名乗ってペコリと頭を下げた。
三郎さんの旧友を名乗る2人組、なんだか不思議な気持ちだ。
「良かったら休んでいかれますか?」
私はとりあえずそう声をかけると二人は頷いた。
別にここに来てることくらい言っても良いよね?そもそも、私は三郎さんのこと何も知らないし…。
「お茶とお団子です。」
私が差し出すと、二人はありがとうと言って食べ始めた。
「三郎とはね、六年ほど同じ学び舎で学んだんだ。
良かったら、お団子奢るから少し話そうよ。」
そう勘右衛門さんに言われた。
横で兵助さんも頷いている。
「それじゃあ、お言葉に甘えて。」
私はそう言って横に座ってお話を聞く。
二人の話の中の三郎さんは私の知ってる三郎さんで間違いなさそうだった。
三郎さんは、あの後も変わらずにお店に来てくれている。
大体週に2日くらいかな。
昨日一昨日は来てないから今日あたりと思ったけど、予想外のお客さんだ。
あの後、家に着いて両親は天気大丈夫だったか?と心配してくれたし、三郎さんにはお礼も言ってくれた。
怒るような親じゃないとわかっていても本当に安心した。むしろ小袖のお礼にって団子を数本包んだくらいだ。
何かを察した弟がニヤニヤしてたのは今でも気に食わないけどね。
何度思い出しても、あの醜態を晒したことが恥ずかしいし、三郎さん迷惑かけてばかりだったと思う。
それでも、行って良かったと思うのはわがままなのかな…。