第六話
夢小説設定
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「いただきます」
私は手を揃えてそう言って、ご飯に口をつける。
はぁ、ほっとする。
「服、よく似合っているよ。」
三郎さんの言葉にまた顔が熱くなる。
"他の人"…なんていうのに、なんでそんなことを言うんだろう…。
「ありがとうございます。」
「あと、今日は君のご家族も心配していると思うから、すぐに帰ろうと思うんだけど、どこか寄りたいところとかは大丈夫かい?」
三郎さんにそう言われて私は頷く。
名残惜しい気持ちと、早く帰って頭を冷やしたい気持ちが複雑に混じり合う。
そんなに簡単に三郎さんを
諦められるわけない。
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帰り道の道中、なんとなく静かな時間が流れる。
何を話したらいいのか、胸がいっぱいでわからない。
先に沈黙を破ったのは三郎さんだった。
「…楽しんで欲しかったんだけど、なんだか困らせてばかりだったかな…」
三郎さんなりに気を遣ってくれた言葉なんだろう。
思わず俯くと三郎さんのくれた小袖がよく見える。
「そんなことないです。
迷惑ばかりかけたのは私の方ですし、とても楽しかったです。」
私ははっきりとした口調で言った。
「三郎さん、迷惑かもしれないですけど、これからも仲良くしてくださいませんか?」
春色の小袖が私の背中を押してくれている気がした。
私の気持ちはまだ始まったばかりだ、諦めるなんてもったいない。
その私の思いを押し出してくれたのかもしれない。
三郎さんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてから少し悩んで、嬉しそうに微笑んだ。
「こちらこそ、宜しく。」