学校から帰って、寝支度も済ませ終わって私はぼんやりと部屋のソファに座った。


結局、今日はずっと鉢屋くんのことが頭から離れなった…。

これは絶対にしおりちゃんのせい。



…。
なんで今までこんなに鉢屋くんのことさけてたんだろう。
確かに、チャラそうな人とかイケメンは苦手だ。
勘ちゃんとだって中学時代に同じクラスで同じ係り1年くらいやってようやっとちょっとしゃべれるようになったくらいだし。
でも、さすがにここまであたり強くしたりはしないのになぁ…。


鉢屋くん、本名は鉢屋三郎。
2組の学級委員で勘ちゃんとは学級委員仲間。
同じクラスの雷蔵くんはいとこで、お父さん同士、お母さん同士が兄弟っていう珍しい家系らしい。だから顔も瓜二つなんじゃないかって。(私は図書委員会で雷蔵くんと一緒なのでその時に聞いた。)
成績は優秀で体育も美術も音楽も得意。
勘ちゃん曰く、「あいつはやる気出してないくせにあれだから先輩とか同級生に目付けられやすいんだよ。」とのこと。
後輩とか子供は好きっぽい。逆に年上は一部除いて苦手とのこと。
恋愛関係は謎。告白された話は後を絶たないけど、彼女がいるとかは聞いたことない(って、女友達が言ってた。)。


うん、なんで私に声かけてくるのか、やっぱりさっぱり分かんない。
勘ちゃんと仲良いから？って言ってもそれこそ社交性が服着て歩いてるような勘ちゃんだ。
女友達なんて腐るほどいる。
雷蔵くんと同じ委員会だから？そんな理由で声かけないよなぁ…


わかんない人だなぁ…。
今まで気にしないようにしてたけど。
でも、よくよく考えるとそんなに悪い人じゃなさそうじゃない。
むしろここまで毛嫌いして悪いことしたなぁ…。

うん、明日はちゃんとあいさつ返して今までのこと謝ろう。

私はそう決意して、布団に入って眠りについた。