Act.10
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部屋を出るとそこは山の中だった…。
まるでマンションの一室のようなあの部屋は外観は完全に山小屋だったのだ。
「うそ…」
それはもう、信じられないくらいの山の中。
目の前には車とバイクが一台ずつあった…。
「話しながら、道があるとこまで歩こう…
あ、その前に、かばんのポケット。」
そう言って私のカバンの外側についてる小さなポケットを指さす。
「へ…?」
中には500円玉くらいの黒い丸いプラスチックが入ってた。
「これって…」
「ごめん、本当はこんなことしたくなかったんだけど、雷蔵に頼んで委員会中に入れてもらったんだ…発信機。」
鉢屋くんが申し訳なさそうにそう言った、
そっか、だからここがわかったのか。
「本当はお節介ってわかってたんだ、だから、できるだけなまえにわからないように、事を進めるつもりだった。
ユキちゃんを使ったのも情報も集めやすかったし、私に彼女ができたと噂が流れれば奴も私への警戒を解くかと思ってのことだった、まさかこんなふうに裏目に出るなんて思わなかった…
結果として最悪の形にしてしまった…
ごめん」
鉢屋くんがそう言って頭を下げた。
そして、私は反射的に首を横に振った。
だって、鉢屋くんは謝るようなこと一つもしてない。
「こんな私だけど、まだ私と友達でいてくれるか?」
鉢屋くんがそう言ってくれるけど…
「友達には戻れないよ…」
「…」
「だって、私、鉢屋くんのことが…」
私は1度は止まった涙が再び頬を伝うのが分かる。
「ごめんね。
いっぱいいっぱい迷惑かけて、鉢屋くんがね、優しくしてくれるのが、うれしくてね、甘えてて、友達としてって、わかってるのに、
鉢屋くんが、彼女ができたって、聞いて、嫌で、
鉢屋くんは、私のためにっ、なのに、わたし…
鉢屋くんのことがね、すきなの…」
だめだ、涙が本当に本当に止まらない。
もはや子供みたいにしゃくりをあげ始めてしまった。
言っちゃった…
でも、言わなきゃって、だってあれだけ後悔したんだから。
するとふいに鉢屋くんから抱きしめられた…
「鉢屋くん…?」
「私も、好きだ…
本当に無事で良かった…」
鉢屋くんの肩が震えてる、
あぁ、私は今、幸せだ…。
「ずっと好きだった。
手に入らないってずっと思っていて、それでもいいやってくらい大切だった。
友達でもいいから近くにいたかった、でも、私は今、すごく幸せだ。
私と、これからも一緒にいてくれ。」
「もちろんだよ、」
私は腕にめいっぱい力をこめて鉢屋くんを抱きしめた、
全然、好みじゃなくて、最初は話すのすら億劫で、でもいつの間にかすごく好きな、大切な人になってて、もう、私にはあなたしか見えないの。
●the END●
まるでマンションの一室のようなあの部屋は外観は完全に山小屋だったのだ。
「うそ…」
それはもう、信じられないくらいの山の中。
目の前には車とバイクが一台ずつあった…。
「話しながら、道があるとこまで歩こう…
あ、その前に、かばんのポケット。」
そう言って私のカバンの外側についてる小さなポケットを指さす。
「へ…?」
中には500円玉くらいの黒い丸いプラスチックが入ってた。
「これって…」
「ごめん、本当はこんなことしたくなかったんだけど、雷蔵に頼んで委員会中に入れてもらったんだ…発信機。」
鉢屋くんが申し訳なさそうにそう言った、
そっか、だからここがわかったのか。
「本当はお節介ってわかってたんだ、だから、できるだけなまえにわからないように、事を進めるつもりだった。
ユキちゃんを使ったのも情報も集めやすかったし、私に彼女ができたと噂が流れれば奴も私への警戒を解くかと思ってのことだった、まさかこんなふうに裏目に出るなんて思わなかった…
結果として最悪の形にしてしまった…
ごめん」
鉢屋くんがそう言って頭を下げた。
そして、私は反射的に首を横に振った。
だって、鉢屋くんは謝るようなこと一つもしてない。
「こんな私だけど、まだ私と友達でいてくれるか?」
鉢屋くんがそう言ってくれるけど…
「友達には戻れないよ…」
「…」
「だって、私、鉢屋くんのことが…」
私は1度は止まった涙が再び頬を伝うのが分かる。
「ごめんね。
いっぱいいっぱい迷惑かけて、鉢屋くんがね、優しくしてくれるのが、うれしくてね、甘えてて、友達としてって、わかってるのに、
鉢屋くんが、彼女ができたって、聞いて、嫌で、
鉢屋くんは、私のためにっ、なのに、わたし…
鉢屋くんのことがね、すきなの…」
だめだ、涙が本当に本当に止まらない。
もはや子供みたいにしゃくりをあげ始めてしまった。
言っちゃった…
でも、言わなきゃって、だってあれだけ後悔したんだから。
するとふいに鉢屋くんから抱きしめられた…
「鉢屋くん…?」
「私も、好きだ…
本当に無事で良かった…」
鉢屋くんの肩が震えてる、
あぁ、私は今、幸せだ…。
「ずっと好きだった。
手に入らないってずっと思っていて、それでもいいやってくらい大切だった。
友達でもいいから近くにいたかった、でも、私は今、すごく幸せだ。
私と、これからも一緒にいてくれ。」
「もちろんだよ、」
私は腕にめいっぱい力をこめて鉢屋くんを抱きしめた、
全然、好みじゃなくて、最初は話すのすら億劫で、でもいつの間にかすごく好きな、大切な人になってて、もう、私にはあなたしか見えないの。
●the END●