「なまえさぁ、鉢屋とはどーなわけ？」


「はぁ？」

友達のしおりがにやにやしながら聞いてくる。


「どうもこうもないよ、ただの隣のクラスの男子。」

私はきっぱりという。
別に友達でもないし。うん、あえて言うなら友達の友達。

「はぁ？あんた本気で言ってんの？」

呆れたように言われるが逆にこれが本気じゃなかったらなんだというのだ。

「本気も本気。
私と鉢屋くんはそれ以上でもそれ以下でもない関係です。」

「でも、向こう、すっごい声かけてきてるじゃん。」

不満そうな顔されても私だってそれに関しては謎なのだから、言われても困る。

「私だって知らないよ。
物珍しいんじゃないの？私みたいな人が。」

私だって鉢屋くんはいままでに関わったことのないタイプだし。
それくらいしか思い当たる節もない。

「あんた、本当ににぶいわね！」

げ、しおりちゃんのスイッチ入れちゃったかも…

「鉢屋くんはあんたに気があるのよ！」


「はぁ？？？」


いやいやいや、ないないない、あんなチャラチャラしたイケメンがなぜこっち来るのかわけがわからない。


「あのねー、鉢屋くんは女子人気もすごいし、彼に惚れた女は数知れずだけど、自分から女に声かける人はすっっっごい少ないのよ。
同じ委員会のトモミくらいなんだから。
基本的には雷蔵君を中心とした男友達にべったり。」