私は急ぎ足で階段を駆け下りる、なんとなく、早く教室に着きたかった、

そわそわと、なんだか嫌な予感がする。


「鉢屋くん、彼女できたらしいよー」


女子の噂話が聞こえてくる。

うぅ、今その話は、ホットすぎるよ！


「え、１組のなまえさんじゃなくて？」

「いや、私もそうかなって思ってたんだけど、となりの久野高の女子生徒だってー」

「え、めっちゃ人気ある女子高じゃん！」

「しかもすっごい美人らしくてさー
最近一緒にいる目撃証言多発らしいよ！」






「…」


噂、みんな知ってるんだ…。
そうだよね、昨日もキスしてたし…。

私は自分の目からぽろぽろと涙が出るのを感じた…。

袖でごしごしと拭うと後ろに人の気配を感じた。




「なまえ…。」



「鉢屋…くん」



そこには驚いた顔をした鉢屋くんの姿。





「その…」



鉢屋くんが気まずそうに眼をそらす…



あぁ、本当に…




「鉢屋くん、彼女できたんだってね。
おめでとう…。
あの、わたし、彼女さんに悪いから、もう…一緒に…」


私の目からボロボロと涙がこぼれはじめる…。



「一緒にいられないよ…」


「なまえ！」


鉢屋くんの話も聞かずに私は女子トイレに逃げ込んだ、追ってくる気配がしたけど、途中でさっきの女の子たちにつかまったみたいだった。



あぁ、だから会いたくなかったのに、思ってもないことがペラペラ口から出ちゃう。

好きなのに…。好きだったのに。




●to be continued●