鉢屋くんたちはいつも屋上でご飯を食べてる。
メンバーは鉢屋くん、雷蔵くん、勘ちゃん、久々知くんに竹谷くんだ。
鉢屋くんと雷蔵くんと竹谷くんは同じ中学校で、勘ちゃん久々知くん私が同じ中学校。
でも５人は昔から知り合いだったみたいで仲がいいらしい。


あの事件以降はなんとなくこの５人のご飯の席にお邪魔しているのだ。


「いや～、まさかあの男嫌いのなまえが男友達に囲まれてご飯を食べる日が来るとは…。
俺は嬉し寂しいよ…
これが娘が彼氏を初めて家に連れてきたときの親の心境か～」


私の人生で初めての男友達の勘ちゃんがそう言う。
うー！悔しいけど、全否定はできないよっ！
っていうか、鉢屋くんの前で彼氏とか言わないで！


「私は勘ちゃんの娘でもないし、彼氏なんかいません！」


私はちゃぶ台をひっくり返す勢いでそう言った。
本当にこれ言うのもつらいんだから！

すると笑いながら見ていた竹谷くんが急に立ち上がった。


「お父さん、娘さんを俺に下さい！」


そしてそう言って頭を下げた。
これも割かしいつもの光景だと思う。

竹谷くんはここでもクラスでも、っていうか学年で有名なムードメーカーでスポーツ万能の生物委員会の委員長だ。
なんでも、この学校で飼ってる動物で竹谷くんに懐いてない動物はいないんだとか。


すると今度は隣に座ってた鉢屋くんが怒涛の勢いで立ち上がる。


「ばか！それは私のセリフだろ！」

少し表情をしかめて言うが、私からしたら本当に勘弁してほしい。
いくら冗談でも心臓に悪い、何より顔が熱い。


「なに！お前らに娘はやらん！」


そしてさらに勘ちゃんが入って言ってよくわからないお芝居はさらにヒートアップしていった。

私はというと鉢屋くんの言葉でまだ頬が熱い…。
いや、冗談だってわかってても免疫なさ過ぎて、ドキドキしちゃうんだもん！



「もう３人して馬鹿にするんだから！
あー、やだやだ！
久々知くん、雷蔵くん、この人たち構ってないで違う話しよー」


私は２人をふざけた調子で止めた、素直になんてなれないし。
そして、久々知くんと雷蔵くんと３人で読書家トークを始めるのだった。(ちなみにうちの学年で年間に図書館で本を借りてるランキングベスト３が私と雷蔵くんと久々知くん。)



うぅ、本当はもっと鉢屋くんとおしゃべりしたいのに、なんて話をつなげればいいかわかんないよ～









●to be continued●