「それで、なまえちゃん、どういうことなの？」


僕は背中に背負ったなまえちゃんに声をかける。


「うーん、あのねぇ、あたしね、しごと、くびかも。」


舌ったらずにそう告げる。


しごとくび？
仕事くび？


仕事首？！


「え、リストラ？」

「ううん、まだされてないよ。
でもね、しっぱいおおいから、じしゅたいしゃしほしいっぽい。」


自主退社･･･。
それで最近職場の件で荒れてたのか…。


全然気づかなかった…。


「利吉さんは…？」


そう、なんであの場に利吉さんがいたのかも疑問だ。
まさかなまえちゃんが呼ぶとも思わないし。


「ひとりでのんでたら、となりきて、けっこんしよって」


「はぁ？！！！」


待って待て待て待て。


なまえちゃんが自主退社しろって圧力のストレスで１人で飲みに行く→わかる
そこに利吉さんも同じ店に飲みに来てなまえちゃんの隣に座る→わからなくもない
求婚する→意味が分からない



「結婚ってあの結婚？」


「すこやかなるときもやめるときもちかいます！のやつだよ～」


うん、酔ってるね、なまえちゃん。
でも、さっきの利吉さんの感じだと本気なんだろう。


家に着いたので、僕はとりあえずリビングのソファになまえちゃんを寝かせて水を渡す。
さっきよりは落ち着いたかな…？