「実はね、僕もよくわかってないんだ。」








「へ？」


「あの日、僕は彼女から一方的に別れを告げられた。
だいぶ引き止めたんだけど、どうしても引いてくれなくてね。
友人という形に落ち着いたはずなのに一時は連絡すらつかなくなった。」


それは初耳だ。
え、っていうか一時はってことは今は連絡とってるの？！
何も知らないんだけど。

「最近さ、バーで偶然会ってね、連絡先を交換した。
ついでにまた会う約束もね。
さぁ、ここまで話を聞けばわかるよね？」

「協力とかはしませんよ。」

僕は間髪入れずに答える。
いくら僕でもライバルの協力をする程お人好しじゃない。

「ふーん、そう。
じゃあやっぱり君も好きなんだね？なまえを。」








あれ、これ、もしかして罠だったかな？