「利吉さん？」

僕がそう言って彼に近づくと無理矢理に彼の正面に座らさせられた。

こんな真剣な顔、はじめてだ。

「雷蔵くん、君となまえは一体どういう関係なのかな？」

そして冒頭に戻る。

「どういう関係って…？
ただの同居中の親戚ですよ。」

自分の言ったことに自分で心を痛めるなんて僕はばかだな…

「そうか、ならいいんだ。
一応確認したくてね」

利吉さんは言葉とは裏腹にきつい顔をしている。

「どういう意味ですか？」

「君は、僕となまえが付き合ってたのは知ってるね？」

いきなりその話か！

「まぁ、知ってます…」

っていうか知ってますけど。
そのせいで僕だってとっても悩んでますから。

なんていくら僕でもプライドがあって言えない。

「じゃあ別れた理由は？」

「いえ…」

別れた理由はなまえちゃんは絶対に話さなかったし、僕も聞かなかった。