そんなある日、なまえちゃんが酔っ払って帰ってきた。
それは大学時代から付き合ってた彼氏と別れた時だ。
別れを切り出したかのがどっちからかはよくわからないけど、そこでいきなりこう言われたのだ。


「あー！むり！もー！むり！
このまま四年も住めないからはっきり言うね！！！
私本当は家事できないし、部屋は多少散らかってる方が落ち着くし、しかも、家ではすっぴんでノーブラでジャージの人のなの！！！ってか料理なんて本当にできなくていままでそれっぽいお惣菜買って盛り合わせてたし！
好きな食べ物はイタリアンでもスイーツでもなくてさきイカにビールだし、小説とかファッション誌より漫画の方が好きだし、海外ドラマより水戸黄門と笑点の方が好きだし、土日は家でゴロゴロテレビ見たいし！！！
いままで嘘ついててごめんね！！！！！」


って。
もはや耳を疑ったし、目玉は飛び出た。
想像できな過ぎたし、何よりもそんなところ見たことなかったからだ。
本人曰く、

極度の八方美人。ええかっこしい。

だそうだ。


そしてその告白以降、僕と彼女の関係は変わった。
なまえちゃんは干物ライフを満喫するようになったし、僕も僕でお世話になってるし、ってことで料理したり掃除したりと家事の手伝いをするようになった。
っていうか、家事の8割くらいは僕がやってる。
でもなんだか本当に家族になったみたいでちょっと嬉しかったんだ。


そしてここからが僕の本当の悩み、


そういう生活にも慣れて、2年生も終わりを迎える頃だった、

「あぁ、なまえちゃんみたいな人と結婚したら楽しいだろうな…。」


ふと、そう思ってから僕はなんだかドキドキしてなまえちゃんと話すのに少し緊張するようになった。



そう、僕はなまえちゃんを好きになっちゃったんだ。

大きなきっかけなんてなかった。
むしろ気づかないくらい小さな沢山のきっかけがあったんだと思う。
とにかくそんな訳で、僕は彼女を好きになってしまったんだ。

そんな状態に陥ってから早3ヶ月がたった。
なまえちゃんは相変わらず無防備だし、っていうかたまに下着でうろちょろするし…
正直、そろそろ限界です。



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