コンコン


コンコンコン！



コンコンコンコン！！




コンコンコンコンコン！！！




「入るぞなまえ！！！！」



ガチャ



「ってお前らは何一緒に寝てるんだ！！！！！！」





次に私のことを起こしたのは滝の絶叫でした。





「まったく、仮にも、恋愛関係にない男女が同じ布団で寝るなど、いやいや、私たちはまだ高校生、恋愛関係あったとしてもだくどくどくど…」


滝は私たちに正座をさせて説教を始める…。
なんで私まで…、と思うが面倒くさくて言えない。

しかも、喜八郎は正座して寝てるし。
あー、頼むからこれ以上火に油を注がないでくれよ…




にしても最近喜八郎の様子がおかしい。
いや、前々から変な奴に変わりはないのだけれど。
なんかこう、ベタベタしてくるというか、やたらなついてくるのだ。
流石にベッドまで入ってきたのは今回が初だが、飯を食べる時も委員会の時も何をする時もずっと隣にいるし、すぐにくっついてくる。


何か言ってくることもないので、気分的にはすごく懐っこい猫って感じ。

ま、何かしてくるわけでもなくひっついてくるだけなのでそこまで迷惑でもないし、私としては構わないんだけどさ。



いや、むしろかわいいし大歓迎、的な？
そんなこと言うと滝に怒られるんだけどさ…。



すると服の端を喜八郎がつつく。



”に　げ　よ　う”



そう喜八郎が口で言って私の手を引いてこっそり部屋を出る。

滝は後ろを向いてた上に目をつむっていたので、気付いていないようだった…。