ふてくされてちょっと離れたソファでゴロゴロしてるとコツコツと足音、
この足音は…


「なんですか、立花仙蔵先輩。」


僕は不機嫌さを隠さずにそういった。


「全く、お前は何を拗ねているんだ。」


「別に拗ねてませんー」

ただ、つまんないだけですー


「お前はまったく、」


そう言って立花先輩は僕の寝ころがってるソファの前にる一人掛けの豪華なソファに座る。


「なまえ…、かわいい子じゃないか」


「…。」


たしかになまえはかわいい。
サッカーでこんがりと焼けた肌は健康的だし、素直な性格に裏表のない屈託のない笑顔はこの学校の女子では1年生の1学期の頭くらいまでしか見れないレベルだし。

でも、それを立花先輩に言われるとつまんない。


「まったく、そんなふうに拗ねてると誰かに持ってかれるぞ？」


「はぁ？」




「たとえば、わたし、とかな？」


そうニヒルに微笑んで立花先輩はなまえの方に立ち去った。


「…。」


立花先輩に自覚させられるとか、本当につまんない。



僕はみんなの楽しそうな声を聞きながらなまえが入ってくれる嬉しさとみんなにとられるつまんなさを感じてた。





僕はそろそろと立ち上がり座ってるなまえの後ろにしゃがんで首に抱き付いた。


「うわあ！びっくりした。
綾部！気配を絶つな！忍者かおまえは！」


「・・・・。
喜八郎・・・、綾部じゃなくて喜八郎。」


前から思ってた、滝だけ名前なのおかしいでしょ。


「あやべ…？」


「…。」

僕は無言で腕に力をいれた。


「ちょっ、しまってる！しまってる！
喜八郎！しまってる。」


しぬしぬ！そう言ってなまえが僕の腕をたたく。

「よし、見学しゅーりょー。
帰るよ。なまえ。」


僕はそう言って、なまえの腕をつかんで歩き出した。

「え、ちょ！
あの、皆さんお世話になりました！今後からよろしくお願いいたします～～～！」

しっかりと立花先輩をにらんでぼくとなまえは風紀室を出た。


あー、つまんないつまんない。











to be continued...