さあ、校門が見えてきました！満開の桜が素敵です。

私が校門をまたぐと、突然足元がぬるりと滑って私は勢いよくしりもちをついてしまいました。どうやら朝少し降った雨でぬれた地面に落ちた桜の花びらに足を滑らせてしまったみたいでした。

「いたたたた…」

私はお尻を擦りながら立ち上がろうとしました。入学初日から、全く私ったら…。
するとサンサンに私を照らしていた太陽が突然陰りました。何かと思い顔を上げると男の人が手を差し伸べてくれていました。

「君、新入生だよね？大丈夫？」

「あ、ありがとうござ…」

私は顔を上げてお礼を言って手を差し出しました。優しい人だなあなんて思ったのも束の間でした。

”食人”

その人の頬にはそう書かれていました。
気を失うってこんな感覚なのか、私は最後にそう思って意識を手放しました。

「えっ、ちょっと大丈夫？！
ほ、保健室に連れてかないと…」

こうして私の高校生活は、強烈な出会いとともに堂々と火ぶたを切ったのでした。