そして入学式の会場に入場しました。
ちゃんと学内に大きなホールがあるなんてさすがです。

それとなく文字のない人を探しては見ましたが、今のところ一人も見かけません。
これじゃあ針の筵です…。

ちなみに隣に今座っている男の子の頬にはしっかりと（穴ラブ）って書いてあって怖いです。
穴ラブって何ですか？聞いたことないんですけど。
かこんな凛とした顔をして何に何を感じているのか謎です…。

ぼんやりと先生たちの顔も見ましたが、それぞれ大なり小なりの性癖が書いてあり、本当に異世界に迷い込んだ気分です。

校長先生の言葉、来賓祝辞など退屈な進行が続きます。
中学の卒業式は全員が前に出なくちゃいけなくて多少の緊張感がありましたが、今日は代表の人が挨拶をするので気も抜けてしまいます。
他の新入生たちも各々新しい生活に思いをはせて、あまり入学式に集中している生徒は少なく感じます。

「歓迎の言葉、在校生代表」

司会の先生の言葉にうつむいていた生徒も顔を上げる。
そういう私も自分の先輩になる人はやっぱり気になります。

顔を上げると壇上には男の人が立っていました。

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
生徒会長の”不破雷蔵”です。」

不破雷蔵と名乗るその人は、私が朝に出会った食人鬼(仮)の方でした…。
性癖が”食人”の生徒会長…。この学園の闇の深さに思わず目がくらみます。

ここは由緒正しい歴史深い大川学園。その実態は”性癖のるつぼ”のような場所でした。
私はこの学園で無事に安全なスクールライフを送ることができるのでしょうか…。