【番外編】狂犬すとーりー
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本棚全体の夢小説設定龍が如く【真島組・真島吾郎・佐川司メイン】
銀魂【銀時メイン】
夢主が、最強主人公になったり、恋のヒロインになったり、好きなキャラが弱ったり、the自己満足。
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今日は晴天だ。
下には黒革パンツを履き、上裸の男は思う。
いつも通りコーヒーを挽いて注ぎ、タバコに火を付ける。窓をあければ、気持ちのいい風が入ってくる。つい太陽を見上げれば眩しく目を細める。
部屋の奥の方で、ごとごとと物音がする。
起きよったか
今日は2人分の豆を挽いておいた為、ちえの分もマグカップに注いでやる。
「おはよぉ」
「おはようさん」
揃いの黒革パンツを履き、上には丈が短めのTシャツを着ている。
机の上に置いてあった、真島の使っているライターで火をつけ煙草を吸う。
特に大した話をするわけでも無く、こうしてゆっくり2本吸うのが日課である。
「さて、今日は気合い入れてくでぇ」
「なんで?」
「なんでって、桐生チャン驚かす為にな、ゾンビになる日ぃなんや!」
「なんじゃそれ」
毎度怪奇的な事をしている真島に対し、ちえは深くは突っ込まず、相槌だけ打っておく。
桐生には同情しつつ、今度感想を聞かせてもらおうと考えていた。
「よっしゃ、いってくるでぇ」
「いってらっしゃい〜」
煙草を揉み消し、ジャケットを羽織ると勢いよく出て行く真島。にひっと顔は笑っていた。
あたしも、2つのマガカップを簡単に洗い、外へ出る事にする。
「いやぁ〜最高やったわ!!みなお疲れさん!」
「桐生の伯父貴も喜んでくれてましたね!」
そう和気あいあいと盛り上がりながら打ち上げをする真島組内。
こういう人懐っこい所も兼ね備えているから、いざという時に、組員もがっちり付いてくるのだろう。
その時…
「親父!」
「なんや、いきなしでかい声だしてぇ」
「に、西田さんの彼女さんが拐われたと…!」
どういう事だと、西田の顔を見れば、当の本人は何も現状が理解できていない様だ。心当たりは無いっちゅう事かいな。
「その情報は誰からや」
「彼女さんの友人からです!」
ほぉ〜、西田、彼女の周りに怪しい連れ関係はいなかったんかい、と聞くと、1人、最近正体が怪しい男と付き合った友人がいると…1週間程前に聞いた覚えがあります。と答えた。
「ハメられた罠の可能性が高いが…いけるか?」
「は、はい!もちろん!」
ひっひ、女拐われた言うとんのに、これで行かんなんて言うてたら、ワシがぶち殺しとったわ。
ご丁寧にその彼女の友人という奴は、詳しく場所を教えてくれた。
何が目的なんや…西田か?いや、俺か?
何にしても上手くその場をやり過ごさないと、西田の彼女を傷つけてしまう事になる。
車を走らせ、とりあえず組員20名程も連れて行く。
場所は埠頭のとある倉庫だ。
あまり刺激しても彼女が危ないので、自分と西田、そして連絡が取れていた奴以外は離れた所で待機させ、3人で中に向かう。
「みき……!」
西田が彼女の名前を呼ぶ。
しっかり服を着ており、見たところ傷も無さそうでまずは一安心である。
さて、ここからが本題だ。
相手を見た所、やはり黒幕は、彼女みきの、友人の男のようだ。みきの友人も捕らえられている。他に雑魚は30人程いるだろうか。雰囲気をみるに、どっかの若者のギャングだろう。
こんな若僧に振り回されて、イライラしてきた真島。
「せぇっかくこっちは、ひと仕事終えて、ええ気分やったのに…てめぇの狙いはなんや。」
はは、君が組長さん?随分なお出ましで。
「ワシは口下手でのぉ、長い話は嫌いなんや。それに仕事できるやっちゃ、結論から言うって話しやで」
ふふ、噂通り掴みどころが無く面白い方だ。
単刀直入に言う、「銃を十丁ほど欲しい」
黒幕であろう男はそう答えた。
なんでまた銃なんか…?
西田が聞くと、今はギャング内での抗争が激しいらしい。そこで生き残って行く為、這い上がって行く為の糧にしたいとの事だ。
理由がしょーもなさ過ぎて頭を横に振る真島。
そないな事しても、この手段でその目的は達成できへんで。
そう言うと、アイコンタクトだけで、友人との連絡係のやつに、組員を近くまで連れてこいと伝える。話を聞く限り、相手にチャカを持っている奴は多くない。持っていても、まともに扱えるのはあの黒幕ぐらいだろう。
やっかいなのは、みきちゃんとその友人の隣にはに、5人程ナイフを持った男がいる事だ。
おそらく、命に関わる程の傷を負わせる覚悟は奴らには無い。ただの脅しだ。だが、顔や身体に傷つける事は容易に予想がつく。
「分かったわ、いま外に組員がおる。そいつらが持ってるチャカ、全部持ってけ」
真島は大声で、組員に指示する。
持ってるチャカ、下に置けと。
自分はカランっとドスを出す。
やっぱり若僧や。あまい。
ここで組員が中に入りやすくなった。そして銃を回収する為に、周りにいた雑魚どもが彼女達から離れていく。
俺と西田で黒幕とナイフを持った男を倒し、連絡係だった奴に彼女等を離れた場所に連れていかせる、この作戦だと考えた。
あとはタイミングや。
西田と目を合わせると、いつでもいけます、と訴えている。
ギャングの雑魚共が銃を拾おうとしたその瞬間…
捨てたはずのドスを思い切り黒幕男に向けて蹴り飛ばす。一瞬の事で、奴の右手に突き刺さった。
ぐあぁぁああっ
これであいつは銃でまともに狙えない。
同時に西田と連絡係は彼女達の方へ向かう。
その様子をみた、近くの組員は、5人ナイフオトコのナイフに銃を撃つ。流石武闘派嶋野組内真島組員。綺麗に5発で獲物を捕らえ、西田と連絡係は拳で戦う。
真島が黒幕に近づこうとした時、奴はばかだ。残った左手で、この狭い倉庫内でチャカを弾こうとする。
この、あほっ!
ぱんっ、ぱんっ
2発出たら目に撃たれた弾は、人に当たる事は無かったが、周りの鉄の資材のバランスを崩した。
あかん!あっちには…!
彼女達が腰を抜かしている方は鉄の資材は倒れていく。連絡係が、5人ナイフのうち1人を盾にして護ろうとしている。が、2人とも守りきれないうえ、連絡係も危ない。
そう考えている時にはもう、真島の足は動いていた。西田も気付いていたが、目の前の3人の男で塞がれていた。
がしゃんっっ
「警察だ!」
資材が倒れるのとほぼ同時で、警察が入ってきた。黒幕男はあっけなく捕まえられ、もちろん銃刀法なので、真島組員も一旦捕らえられる。
ぐふっ…
薄れる意識の中で、西田が横にかけつけてきた。
「頼むでぇ…組の事…うまくやりゃうちは何も悪くならん…」
なんとか起き上がろうとするが、流石に落っこちた鉄を身体で受けているのだ。打撲、出血、骨折、何が起きているか分からないが、身体が動かなかった。
背中は資材の角が当たりぱっくり切れている。
日頃鍛えてる筋肉のおかげで潰されずには済んだ。
そして、2人の女は無事だった事、隣の連絡係も盾にしたナイフ男が良い仕事をした事。そいつがどうなったかは知らん。意識は失っているが、大きな怪我は無さそうだ。
幸い自分も頭からだけは護った為意識は朦朧とするがある。
警官が数人がかりで資材をどけてくれた時、その重さが無くなり安堵したのか、意識を手放した。
「…病院ね、すぐいく。」
真島が運ばれた病院にちえも行く。
蜂の巣になるか、切り刻まれるか、爆弾に巻き込まれるかしないと死なないと分かっている為か、冷静に着替えの支度等を済ましてから向かう。
また怪我したのねぇ。痛かろうに…。そういうちえ自身も幾度となく瀕死状態をくぐり抜けてきた身の為、目の前の包帯ぐるぐる巻きにされた真島を見て同情する。
ガラッ
病室のドアがあくと、西田が入ってくる。
「姉さん、もうs…」
「ありがとね。組の事。そしてそんな言葉をここで言ったらダメでしょ〜。いいのいいの、格好つけたかったんでしょ、可愛いあなたの彼女の前で。」
ははっと笑うちえの姿に、流石だ…と思うばかりの西田。今は組の事と、彼女達の心のケアをしてあげなね。この人の事は大丈夫。あたしがよく分かってるから。あまり苦しそうにしてたら、あたしが楽にしてあげるわ、ははっ。
流石だ…姉さん…。
背中の痛みで目が覚める。
ぐっ…あいだだだだだ
「お、は、よ」
そう起きると隣から声がする。
まぁた、派手にやったね〜と言っているちえ。
うっさいわ、とだけ返しておく。
「また般若さんの色入れ直しいかないとね。般若さんが可愛そう」
「せやな」
他愛もない会話を続けながら、刺青デートの約束もついでにしておく。
起き上がれる?
言われなくても起き上がるわ、ニコチン入れな治らんくなってまう。
そうですか。
真島に肩を貸しながら、2人は屋上で煙草を吸う。
その後ろ姿を西田とみきちゃんは見て、何を思ったのか…。