【一章】神室町最強の女現る。
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本棚全体の夢小説設定龍が如く【真島組・真島吾郎・佐川司メイン】
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夢主が、最強主人公になったり、恋のヒロインになったり、好きなキャラが弱ったり、the自己満足。
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「全身黒服の奴を探してこいや。
殺さん程度であれば、何してでも連れてこい。」
とある日の夜、嶋野の親父から連絡が入った。
この街の全身黒服の奴なんて、ぎょーさんいるやろ…など思いながらも、流石に何も動かないのはまずい為、散歩がてらに外へ出ることにした。
ま、桐生チャンを捜すついでだ。
ぷらぷらと神室町を歩いて数分のこと。
「お?」
なんて自分は運が良いのだろう。
特に理由も無く、チャンピオン街方面に向かって歩いていた。
すると、上空の方で物音がする。
ふと見上げてみれば…何者かが、ビルからビルへ飛んでいるでは無いか…!?
こりゃ普通やないな…
もしかしたら?
真島は直感を頼りに追ってみる。
特段、この街で何者から逃げていたり、多少怪我をしていたりしても、何の疑問にも思わない。
そういう街だ。
それでも、全身黒服という以外のヒントが無い今にとっては、少しでも普通では無いものを調べてみる必要があった。
あれは、チャンピオン街の方やな…
あそこは入り組んでおる。
なんや、追われてるんか…?
気付かれない様に、奴が向かったであろう方向に進んでいく。
…この辺で人目がいきずらい所はと…
入り組んだ路地を右左ぷらぷらしている。
そこに、おった。
「運がええのぉ〜!」
黒革のパンツに、黒ジャケット。深く帽子を被る奴。
走り疲れたのか、片手に水のペットボトルを持っている。
とりあえず目の前のこいつが、嶋野の言う黒服がどうかは知らないが、向こうも向こうでなんや、やる気である。
これは好都合と、交戦的である為、喧嘩をする事にする。
殺さない程度ならええ言うてたしな。
ほんで差し出して違う言うなら、それはそれや。
「がっかりさせんなやぁああ?!」
挨拶がわりに、右ストレートをいれてやった。
そして相手もそれが分かっているのか、挨拶を同時に返してくる!
ばしっ
互いに殴られた衝撃で後ろに一歩下がる。
ほぉ〜…弱くはないな。
何処まで楽しませてくれるんや?
と次から次へ攻撃を仕掛けていく。
真島はスピードと攻撃手数には自信があるが、相手もなかなかやってくる。
楽しくなってきたでぇ!
真島のテンションも上がってきた所でドスを抜こうと、一瞬意識が背中の後ろにあるドスにいった途端。
目の前の奴に隠していドスを抜かれてしまった。
「!?」
咄嗟に手首を狙い、ドスを奪い返そうとすると、ドスは頭上上空へくるくる回る。
その下でも行われる殴り合い。
回転するドスは、やがて重力に従い、回転を続けたまま落ちてくる。
男と女は、互いに向け、回し蹴りをいれる!
ぐちゅっ
ロシアンルーレットの様にまわるドスの刃の方向は…
自分の方だった!
スネ辺りに熱い刺激が走る。
ぐちゅりという音と共に、噴き出てくる血。
ドスが刺さったままでは動けない為、自分で勢いよくドスを抜く。
「うぅっ…」
やはり多少痛みはある。
が、その後もこんな傷お構いなしというべく、喧嘩は続く。
そして、これが最後の一発か?
相手が死角に入り込もうとしてくる。
この眼帯との付き合いも長い真島は、この行動にはある程度の予測はできた。
そうくるんなら、こうやでっ!?
…激しい攻防は一瞬時が止まった。
「はぁっ、はぁっ」
久々に息があがっている自分…
桐生チャンとの喧嘩以外で早々無い。
真島は、壁を使い奴の首を締める。
しかし、首の横でチャキっと鋭利な物の音がする!?
おあいこかいな…。
勝てなかった悔しさと、おもろいもんを見つけた嬉しさがこみ上げてくる。
そして、目の前に現れた奴の姿に驚かされた。
!?女か…?
上から下まで舐める様に女をみる。
…こんな深い傷や痣を持つボロボロの奴に互角やったと…?!
驚きを隠せなかった。
が、それより何よりも、目の前の奴はもう少しこのまま放っておいたら、命が無い。
自分で歩いて動こうとしているが、この調子では無理だろう。
しかも何処へ向かおうとしているんだ?
アテはあるのか?
朝はふらふらで、根性だけで前に進もうとしているのだろう。
ええい、よく分からん!
ただ、偶然なのか必然なのか、こないなオモロイもん見つけたら捨てるのはもったないないわ!!
この時の真島の頭の中には、親父の命令だから助ける。
のでは無く、
こいつは自分の獲物や!
という一心だった。
場所は柄本病院へ移る。
「おい、柄本!こいつ診てくれ!」
すると、一瞬目を見開いたが、すぐにああ…!と返事をし治療に入る柄本。
真島は、自分はここにいても邪魔なだけだと、外を少しふらつく事にした。
先程の興奮をおさめる為にも。
外では嶋野組が総出で動いているだけあり、胸元に測るバッジを付けた者がそこら中にいる。
「一体、アイツは何者なんや…?」
真島は、やり合った奴が親父の狙う獲物だ、という確信は決して無い為、特にすぐ報告する事はしなかった。
そして、先程の喧嘩を思い返す。
さっき首を締めた時に分かったのは、酷くやつれた細い身体と、疲れきっていた表情だった。
その姿を思い出すと同時に、自分の過去である例の穴倉の記憶が鮮明に蘇る。
古傷が痛む気がしたんも、そういう事やろなあ…
せや、起きた時に何か食えるように、適当に買うてやるか。
そういや、服もボロボロやったな…確か黒革パンツに黒ジャケットか。なんな、ワシの馴染みん所で揃いにしたろか…
気付けばあの女の事を考えており、名前聞くまでは、面倒みてやるかのぅ…
ひっひ、と楽しそうに買い物を済ませ、柄本の所へと戻る。
「おう、真島。とりあえず、緊急な処置は終わった。後はこいつの体力次第って所だ。大分身体の体力が弱っていたよつだから、点滴に栄養剤を混ぜてある。」
「おおきにな。」
そう言って、柄本は何も聞かず、奥の部屋に消える。
真島も、買ってきた食料は隣のテーブルに置き、服はサプライズで渡そうと、棚の中に隠しておいた。
なぜこんな見ず知らずの奴の為に毎日見舞いに来ているのか…
その答えは、自分が1番知りたい。そんな事を考えながら、4回目になる見舞いにきた真島。
寝てばっかりじゃあかんで…
そう小さく呟くと、あかん、ワシも眠たくなってきてもうた…と呟く。
この嶋野の親父からの指令一件で、色んな組員が手当たり次第怪しい黒服野郎を事務所に連れてくる。
その対応に追われて、真島も何かと忙しく、睡眠不足が続いていた。
隣失礼すんで。
きしっ、というスプリングの音と共に、真島も眠りについていた。
「おはようさん。」
まさか自分が隣で寝てしまっている時に、女が起きるとは思っていなかった。
少々驚きは隠しつつ、女の名前を聞いた。
「真島…ちえ…」
真島?同じ苗字である事に、この時はそないな偶然もあるんやなぁ!と、対して疑問に思わず受け入れていた。
そして、ちえが目を覚ましたその日の晩。
サプライズしようと隠しておいた服を渡さなければと、部屋に戻ると人の気配は無い。
おい、あんな身体でちえは何処をほっつき回ってんだ?と思う。
外には出ていないはずだ。
真島組員に見張りをつけている。
上か?と、煙草をつけつつ屋上に向かってみると…案の定である。
雰囲気的に1人にしてやるのが大人の対応だと感じた。
おセンチな気分、よぉ分かるで…
真島は暗い部屋に戻り、ベットの上に先程買った服を、畳んで置いておいてあげた。
ちえはこれから何をしようと考えているのか。
親父の所へ連れていくべきなのか。
真島は、ちえが屋上から部屋に戻ってくる気配を感じ、そんな事を考えながら、服を見た反応を見えるぐらいの、部屋の外に隠れた。
ちえが、置いてある服に気付く。
「不思議な男…」
不思議なってなんやねん。
そんな事を思いつつ、自分が買った服に手を取り、眺めるちえを、真島は眺める。
あいつ、まだ本調子では無いんやろうな…
ふらふらしながらも、着替えを始めようとちけがするので、流石に覗くのはやめた。
そして服がかさかさと擦れる音がしなくなり、しばらくしてから部屋を除いた。
ちえは、着替え終わると、ベットに座り頭を抱えている。
真島は、ふぅと息をつき、ドアをトントンとノックした。