【番外編】狂犬すとーりー
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本棚全体の夢小説設定龍が如く【真島組・真島吾郎・佐川司メイン】
銀魂【銀時メイン】
夢主が、最強主人公になったり、恋のヒロインになったり、好きなキャラが弱ったり、the自己満足。
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猛暑日と呼ばれる日ができた。
数十年前までは、30度超えて暑い。
数年前までは、35度超えて超暑い。
今年からは、40度超えてただの危険。
オゾン層が破壊されてどうこうと、親父がよく言ってたもんだ。
あの時から大分年月も経った。
それだけ破壊も進んでいるという事なんだろうか。
暑い。ひたすら暑い。
格好としては、普段露出は多目なのだが、手袋のせいか?皮のパンツのせいか?暑い。
でもそれは皆んな一緒で、日中は外にあまり出さず、事務所か自宅にいるよう、組員にも指示してある。
「親父、食事の支度ができました。」
クーラーの効いた組長室で、書類に目を通していると、西田がノックをし、呼びにきた。
「ああ、おおきにな。せやけど、ワシは昼はいらんわ。まだ腹減っとらんでぇ、若衆で買うとき。」
「…分かりました。」
少し心配そうな目をする西田に、せっかくなのに堪忍なぁと思いつつ、例え素麺でも一口食べたら要らなくなりそうで、それも逆な申し訳なくなる。
基本、真島は朝食を食べない。コーヒーと煙草で済ませる。それは一緒に生活を共にするちえもそうだった。
ちえもそれほど大食いでは無い。ただ筋肉が落ちない様、プロテインは2人で欠かさず飲んでいる。
人間の3大欲求の食事と睡眠も、2人それぞれ時間に捉われない仕事の為バラバラだ。一緒に過ごせる時間ができた時は、性欲が最優先となる。
ふと時計を見ると、夜9時を回る所だ。とりあえず一旦帰って、シャワー浴びて、流石に何か腹に入れなければと思いながら帰ろうとする。
「親父、お疲れ様です!」
「お疲れ様です。」
「ああ、おつかれさん。」
勢いのある声の中から、昼に話したきりの西田が出てきた。
「親父、明日も暑くなるみたいなんで、下の者に言っときます!車すぐまわしますね!」
遠回しに、俺の心配をしてくれてるんだと分かりながら、ああ、とだけ言って、事務所を後にする。
10時前に家に着いたが、ちえはまだの様だ。
アイツもこの夏は忙しくなる言うてたもんなぁ。
せや、プロテイン飲まな。
そう準備を始めた時、プロテインの味が変わっているのと、メモが目に付いた。さっぱりしたレモン味になっているのと、「夏バテなんかに負けやがったら、だせーぞ」と書いてある。
おいおい、とも思いながら、有り難くも思う。
いつも通り、しゃかしゃか振っていると携帯が鳴る。緊急幹部会。
「はぁ〜めんどくさ。」
これには顔を出さなければ仕方がない為、作ったものは一気に飲み干し、シャワーを浴びる前に再度西田に連絡しておく。
いつものパイソン柄ジャケットではなく、ピシッと紺ジャケットに赤シャツを着て、黒ネクタイでしめる。やっぱり若干パンツとベルトが、いつもの位置だと緩くなっている。
東城会本部に着くと、こんな夜中にも関わらず、門の周りには組員がおり、頭をさげる。
『お疲れ様です!』
定位置に深く座り、幹部会が始まる。
「あか〜ん、眠たい。眠たいけど寝られん!大吾にやられたわぁ〜」
どうしたんですか、と迎えに来た西田が聞いてくる。
「お前、何徹までいけるんや?」
恐ろしい質問が返ってきて、西田はやってしまった…と後悔した。しかし無念、この親父の前では後悔なんてするだけ無駄。
「命削って3…ですかね…」
「おっしゃ!真島組総出で、4徹やぁ〜!」
「……(既にこの送迎で昨日ほとんど寝てないんすよぉ)」
カリカリカリカリ。
この4日間の事務所雰囲気は空気が重く、一つ余計な事をすれば、殺される空気であった。
それも今日は4日目。
中には、机に伏せてる者、座ったまま口を空けてる者、首をかくかくさせてる者、トイレからなかなか戻って来ない者がいる。
しかしそんな若衆の奴らの相手する体力があるくらいなら、目の前の仕事を終わらせようと、西田を始めとする役職達は必死だ。
一方組長の真島も休みなく動き続けている。2日間は幹部会に呼ばれている為、組長しか出来ない仕事4日分を、空いた時間でやらなければいけないのだ。移動中の車でも仮眠を取るより、書類に目を通している。
その時、神室町にある栄養ドリンクや、眠気覚しドリンクが一瞬無くなったとか無くならないとか…。
あの大吾にハマられた幹部会から、丁度4日後の夜11時。
終わった。
組員は何も言わずにその場で倒れている。
真島は全く力が入らない体に鞭を打ち、大吾に連絡をする。やる事やったから、てめぇが書類取りに来いと。これ以上動けないというと、大吾はわかりました、とモノの15分くらいで来た。暇なんか、お前は、と真島に言われながら、そうでもないですよ、と返事をする。
組員の雰囲気や、真島のあきらかに元気の無い姿を見て、ありがとうございました。必ずお礼はします。とだけ言って帰っていった。
「はぁ、あかん。もう…あかん。死ぬ…」
とりあえず惰性でタバコに火を付ける。
帰ろか。
達成感と限界を超えた疲労で、若干ハイになった自分がいる。
ちえ、おるんかなぁ…
ガチャ。
久々に自分以外の人がドアを開ける音を聞いた。
「おかえり〜…って、え?!なに、その顔!どした?!」
「ああ、イメチェンや」
そう一言だけ言って、そのまま風呂に入っていった。
とりあえず、脱ぎ捨てたジャケット類をハンガーに掛けてあげ、洗濯物は洗濯機にかけてあげる事にする。
洗剤と柔軟剤を入れながら、ぱしゃぱしゃ湯の音がする浴室に話かける。
「何日寝てないの?」
「んぁ〜覚えとらん。4.5日ってとこかいな。」
はぁと溜息混じりの声を出しつつ、お疲れさんだよ、と言っておく。
「どうせ、ろくなもん食ってないんでしょ?ていうか、食事摂ってた?」
「記憶にあらへんな〜。あ、レモンのプロテイン美味かったで」
ですよね、と思いながら、柔らかい野菜と少量のご飯を入れたスープ粥を作っておいてやる。
「ちえちゃん、ずっと会いたかったでぇ。」
下半身にタオルだけ巻いた真島が出てくる。
痩せたな、あんた…
そりゃそうか。5日間飯も食わず、不眠不休で動き回ったらな…
それでも性欲を求めようとしてくる馬鹿に、流石に叱った。
それは体調が心配だからでもある。
食欲無いねん…と言いながらなかなかスプーンを持たないが、もうヤケになり、こっちからすくって食べさせてやる。
ほぼ全部食べさせた頃、あぁほんま疲れた。今回はあかんわ。と上を見上げて言っている真島。でもまぁ、こんだけ働いたらそうだよ、と今回ばかりは同情し、寝ようか、と誘う。
「せやな」
と大人しくついてくるが、大人し過ぎる。
ベットに入った時にすぐ分かった。
こいつ、熱だして風邪ひいてやがる。
目の下にできた、真っ黒なクマを、ぎゅっとつぶり、もう夢の中なのか、悪夢の中なのか、魘されている。
もう起こしても起きないと思った為、強行突破。自分の口に風邪薬と水をいれ、口付けながら飲み込ませる。うまく舌をいれてやると、少し眉間が和らいだ気がする。
組長がこれなら、組員も大概だろうと、明日の朝一応連絡と、差し入れくらいしてやるか、と考えながら自分も目を閉じる。
おでこに張り付いた、気持ち悪い髪が邪魔で目が覚めた。時計はまだ午前3時くらいだ。隣にちえがいる事、頭のすっきり加減からして、また睡眠不足だ。
とりあえず喉が渇いたと、ちえが用意してくれてあった、補給水を飲み、トイレに向かおうとする。
すると、自分に熱があった事に気がつく。
がたんっ
熱がある事、疲労が溜まりすぎている事から、目眩を起こして机の方へ倒れてしまった。
ちえも飛び起きて、頭ぶつけなくて良かったねぇと言っている。
「目の前がクラクラするわ。ちょっとこのままいさしてぇな」
床に座ったまま立てず、でこに手を置き目をつぶっている。身体を冷やしても何だと、1枚タオルケットだけかけてやる。
「甘えたくなってもうた」
そのままあたしの膝に頭を置いてくる。
床が冷たくて気持ちいいんや、とか言いながら、さっきとは打って変わりすやすやと寝息を、たてている。
30分くらいいいか、とそのままにしてやる。
30分後、トントンと肩を叩くと、何も言わず寝ぼけたようにベットに戻っていった。
「ん、…」
連日の徹夜で曜日、時間感覚と、自律神経の乱れから、記憶がおかしくなっている。気がする。とりあえず目を覚し、時計を見ると、午後3時だった。何日寝たんだ?とか思いつつ、とりあえず水を飲む。
「あ、起きた?おはよー」
心配そうな顔をしながらも、笑顔で近寄ってくれるちえ。
とりあえず抱きしめる。
ん〜まだ熱あるね、と言われながらも、おおきにな、ちえ、とお礼も伝える。
「いいえ、そしたら、あまり食欲無いかもだけど、栄養は取っとこうね」
と、消化に良さそうな物を作ってもってきてもらった。
あ、組に連絡せなと思った時、「組の方には一本連絡入れといたよ」とちえ。
「西田さん始め、みんな風邪ひいただってよ。いい大人が全員で無理しちゃって。」
「あれは大吾のせいや…」
ははっ。まぁとりあえず、ゆっくり休んで早く元気になりましょうかと!
プロテイン飲む?
ちえちゃんがええなぁ〜
久々に3大欲求が満たされたとさ。