ポッキーゲーム
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距離は既にかなり近い
このまま行くと近いうちに…
朱鳥は真面目に俺を見ていて
少しは照れたりしねぇのかよ
もしかしてまだゲームを理解してないのか
にしてもこんだけ距離近いんだぞ
ちょっと位は意識しろよ
苛立ちを込めて、ガリッと大きく齧る
距離はもう吐息がかかる程近い
朱鳥の表情はと見ると
泣きそうに瞳は潤み、頬は赤く上気し、心做しか震えているように感じる
もう遅い。
煽ってきた朱鳥が悪い
ここまできて止められねぇ
朱鳥がグッと目を瞑る
その時
フッと視界から朱鳥が消えた
と、思ったらぼふんっと胸元に重みが
慌てて抱き抱えると、そこには朱鳥の姿が
「うー。足つったー」
は?足がつった?
「アイタタっ。ずっと背伸びしてたから」
腕の中で足をバタバタさせる
そういえば20cmほど身長差があったはず
俺は屈めば良かったが、朱鳥はずっと背伸びしてたのか
「あー。なおったー」
足が落ち着いたのか、腕の中が大人しくなる
俺の首に腕を回し顔を覗き込んでくる朱鳥
「ねぇ。これって私の負け?」
「あー。そうだな。朱鳥が先にポッキー折ったから、オマエの負けだな」
むーっと悔しそうな顔になる
「負けたらどうなるの?」
負けたら罰ゲームとは言うものの罰ゲームを決めてなかったなと考える
と、言うか
「朱鳥。口にチョコついてるぞ」
「えっ?どこ?」
手で口を拭うものの、口の端にはチョコがついたまま
「ここだ」
キュッと指でとってやりペロリと舐める
相変わらずチョコは甘いな。
相変わらず朱鳥は無防備だな
「…まだチョコついてるぞ」
「えっ?どこ?とって!」
慌ててわたわたする朱鳥を抱え込み首筋に顔を埋めて強く吸い上げる
「っ??」
朱鳥の体がビクンと揺らぐ
口を離すとそこには小さな赤い花が咲いていた
髪は結上げられており、襟でも隠れない位置
つまり、丸見え。
マーキングだ。
自覚の無い無防備なのが悪い
「??そんな所にチョコついてた?」
「あぁ。ついてた」
「そっか。ありがとうー」
全くコイツは
「ほら」
ポッキーを袋から取り出し朱鳥の口元に持っていく
「残りもくってけ」
「?うん」
素直にハムっと噛み付く
このポッキーを全部処分すれば、ポッキーゲームもしなくなるだろう
モグモグとポッキーを平らげると俺が次を差し出す
俺の手から素直に食べる朱鳥
餌付けか
「恵は食べないの?」
「俺はいい」
「恵に食べさせてもらうといつもより美味しい」
ニコーっと笑う朱鳥
絶対、誰にも渡してやらねぇ
そう思いながらポッキーを朱鳥の口に運び続けた。